子どものころ、夕焼けの空が好きだった。
どことなく切なくて、なんだか世界の終わりのように怖くて美しかった。
僕の生まれた故郷は、辺り一面原っぱで、見渡す限りの空を全身に感じて生きていた。
そんな世界が永遠に続くと思っていたけれど、いつの間にか時間は流れて、あの時感じた世界は、もう過去のものになってしまった。
言葉を紡ぐということは、僕にとって過去の復元作業なのかもしれない。
ネットカフェ難民の僕に光明が差した。久しぶりに友達ができた。 それどころか、恋愛だってアリだ。まさに「モテ期」の到来! でもリアルの話じゃない。ケータイのSNSサイトで僕は初めて生きている心地がした! 格差社会を駆け抜けるソーシャル・ラブストーリー!
シンジは、つい昨日まで、ゼンマイ労働者の一人だった。通勤途中、何度もゼンマイがうまく巻けなくて、そのまま路上に倒れてしまった労働者たちを目にしてきた。 そんなシンジを「傘を差す少女」と「流れ星収集家」の2人の出会いが変えた。 過去の自分と現在の自分をつなぐ「流れ星」。シンジは心の旅の中で何を見つけるのか?!