太陽と木陰

時々 太陽の光を浴びにいかないと

木陰にいる心地良さに慣れてしまうし

時々 木陰の涼しい場所に逃げ込まないと

きみの優しさにのぼせて 息苦しくなってしまう

単純のひとことに閉じ込められたくないけれど

不安にさせるよりいいかな なんて諦めてしまって

その単純のひとことに いつも安心しそうになる

器用に見せようとすればするほど

偽りの関係を築いているような気がして

あやとりの紐をふと 裁ちたくなってしまう

罪悪感に駆られた分だけ

きみの優しさを素直に受け取れなくなる

けれど

それが猜疑心に化けてしまうよりかは

ひとりで傷ついている方がまだ

太陽の光を意味もなく

嫌わなくて済むとおもうから

いらない心配は できるだけかけたくないな

夜になれば太陽はどこにいたって孤独になるから

せめて朝くらいは 顔を見に迎えにいかなきゃいけない

あえない時間が育てるのは愛ではなくて

素直にきみを見ることができなかった

じぶんに対する憎しみだけだ

太陽と木陰

太陽と木陰

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-05-08

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