幼さ

わたしが幼いばかりに

幼いと 思い上がっていたばかりに

遠い昔に 埋めて隠してしまったカプセルのことを

ふと 思い出して

掘り起こして 見てみました

記憶というものは

皮膚に浸透してからが 本番ですから

骨壷のなかで 夢に看取られないように

澱も想いも約束も皆 空に飛ばしてあげようと思いました

わたしたちが わすれようがわすれまいが

記憶はそこにありつづける

歴史からはみ出したところも歴史であるということを

絶えず証明しつづけていく

後悔はじぶんを傷つけるためではなく

ふたりを護るために あるべきものであってほしい

幼さ

幼さ

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-05-07

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted