宇宙人二世 マリア 7

ドリーム

第四章 家族の結束

 こうなったら誰か信頼出来る人に相談するべきか。両親は勿論考えたが母も父も、その事には触れたくないだろう。次に考えられるのは友人……いや笑われるだけだ。それなら大学の講師が一番良いだろう。アルタイル星からの石だと説明しても分るかな。隕石は世界各地で何個か落ちている日本の岐阜県でも五年前に畑に落ちていたそうだが、珍しい石だと家に飾って居て五年も経って、つい先日隕石と分かり話題になったばかりだ。それと同じでただの隕石だろうと言われたらそれまでになる。それを証明させるにはやはりアルタイル星人から貰ったパソコンのような物を見せて信用させるしかない。もし信用させたとしても君とアルタイル星とどういう関係があるのだと問われると、やはり父がアルタイル星人でありその娘とだと言わなくてはならない。アルタイル星人が日本に住んでいると分かったら日本国内はともかく世界中が大騒ぎになる。母や父も引っ張りだされアルタイル星人と結婚した母も注目を浴びる。
 やはり駄目だ。私の生活も東京の片田舎で静かに民宿を営む両親の幸せを壊す訳には行かない。まったくアルタイル星人のドレーンと言う奴、これで私に贈り物したつもりか。いっそのこと畑に埋めてしまえばいい。何年か何十年か先、誰かが掘り起こしたとしても隕石だとして騒ぐが珍しい事でもない、それでいずれ終息するだろう。この悩みがアルタイル星人達に説明したって分かる訳がない。もう関わりたくない、そう思った。

 マリアが家に帰ると父のドリューンが玄関前で立っていた。どうもいつもの優しい父と雰囲気が違う。
「マリア話がある家に入りなさい。いままで何処に行っていた」
「あれお父さん今夜はどうしたの。怖い顔して」
「とにかく家に入って話をしよう」
 ちょっと今日は疲れたからと言って誤魔化せる雰囲気ではなかった。仕方なくリビングに行くと母の佐希子は真剣な顔をしている。一体どうしたと言うのか。暫くすると父はパソコンのような物を持って来た。そうアルタイル星人がから貰ったもと同じ物だ。
「あっそれどうしたの」
「やっぱり見覚えあるか。マリアも同じ物を持っているだろう。これはお父さんの物だ」
「どうして知って居るの。まさか私がアルタイル星人と交信していた事を知って居るの」
 すると母の佐希子が言った。
「私は貴女の母よ。どうも最近様子が変だと思っていたの。とうとう貴女は父の秘密を知ったようね。隠しても仕方ないわね。父が宇宙人だとしても今更驚きもしないでしょうね。アルタイル星人が貴方に接触しているようね。本当は普通の女の子に育って欲しかった。でもいつもの間にか貴女は少しずつ変わって来ている。父のドリューンの代わりにアルタイル星人が連れて行こうとしているのではないかと心配なの。正直にこれまでの事を話しなさい」
 全てがお見通しのようだった。丁度いいこれで私の悩みが少しは解放されるかも知れない。これまでの経過をありのままに述べた。父のドリューンが納得したように語りかける。
「そうかマリアの血液をねぇ。マリアの血液を宇宙人に渡し気味が悪いと思うだろうが心配しなくていい。アルタイル星人は本当に地球と交流を望んでいる。その点は心配ない。それとその鉱石だが私は詳しい事を知らないが多分その通りの効力があるだろう。マリアが心配するように何処から手に入れたという問題がある。だからそれは世間に知られないようにすればいい」
「でも地球にとって必要な物よ。世界のエネルギー不足が解消され、医学界にいいえ人類の一番の悩みである癌を死滅出来るのに私達の都合で隠し通しなんて出来ない」
「確かに地球、いや人類にとって貴重な宝となるだろう。それを私達の都合で隠しとか知らんふりも出来ないかもしれないな」
「でも私がアルタイル星人と交信を始めたのをどうして知ったの」
「貴女の様子が変だから父のドリューンと相談したの。そこで貴女の事を知るには、あの機械しかないと二十年ぶりに出して来て父に渡したの。本当は処分するつもりだった。でも困った時にきっと役に立ちと捨てきれなかったのよ」
「ああそれで知ったのね。お父さんは今でもアルタイル星人と交信しているの」
「それはない。今の私は完全に人間でありアルタイル星人もそれを認めている。だから交信は一切ない。彼等も私を置いて行った負い目があるだろう。その為に娘の君に贈り物したつもりだろうが。だがアルタイル星人は人の心理が分かって居ない。説明しても彼等には人間の心を何処まで理解しているか」
「分ったわ。私もこれでホッとした。やっぱお父さんとお母さんは頼りになるし尊敬出来る。ではあの石をどう公表するか考えてみましょう」
「あら、褒めているの。でもこれからは一人で悩まないで相談するのよ」
「ハイ分かったわ。ねぇこう言うのはどう」
「何か良い方法でもあるのかい」
「うんアルタイル星人に今の私の心情を打ち明け、日本政府にアルタイル星人からメッセージを送るのよ。それを私に託したと」
「それも一つの方法だが彼等が動いてくれると良いのだが」
 それから数日後、マリアから連絡を取ろうとしていたらアルタイル星人の方からメッセージが送られて来た。もちろん例の機械へ。面倒なのでマリアは機械の名前をコミュニケーションとテレポート(瞬間移動)をミックスしてコミポートと名付けた。このコミポートはアルタイル星人とメール交換みたい感じだが、地球にはないあらゆる機能を持っている。ある意味スーパーコンピューター以上かも知れない。だが父は人間の姿をしているがアルタイル星人は粒子の集合体だと言って居たから形そのものがないのかも知れない。逆にどんな形にでもなれるのだろうか。蛸みたいだったら幻滅してしまう。マリアも見たいとも思わない。
 「やあマリア、私はドレーンだ。先日はありがとう。予定にない海水など送ってくれて大いに役立ちそうだ。我が星にないバリテリアが多く含まれていて役に立ちそうだ。どうかねあの石は地球に発展に繋がりそうだが」
「それがね、あの鉱石がアルタイル星の贈物としても私が頂いたと言えば、どう言う理由で手に入れたのかと追及されるの。私が貴方達と交信して友好関係を結びお礼に貰ったとしても信じないと思うの、私がアルタイル星人二世と言えば父がアルタイル星人と分かり私の家族は大変な事になるの。だから迂闊に鉱石を公表出来ないの」
「ふ~ん人間って複雑なようだな。分かった安心してくれ。こちらから日本政府にメッセージを送ろう。そこで君を紹介しょう。我がアルタイル星人が地球に降り立った時にバクテリアにやられて重症となったところを、たまたま山に登っていた君に命を救われた。そのお礼に石と機械をプレゼントしたとね」
「ちょっと無理があるけど上手くやってくれる。父と私の素性を明かさない事が絶対条件よ」
「大丈夫だ。まかせなさい。その内に日本政府が君に会いたいと行って来るはずだ」

 此処は内閣府 総務省国際監視課兼危機管理室。ここには二百人前後の係員が二十四時間体制で大型コンピューターを母体とした端末パソコンで世界中の情報を管理している。
「主任! 妙な信号をキャッチしました。先ほどから我々と接触を図りたいようですが」
「また新手のウイルスじゃないのか」
「おっ今度は完全に日本語で語り掛けています」
「いったい何処の国だ。日本政府の用があるなら外交ルートを使うだろう。失礼な奴だ」
「いや地球外から送られているようです」
「なんだって? 宇宙からの交信か。しかも日本語で語り掛けているとは信じられん。宇宙国際監視課に廻せ。何処から送られているかキャッチさせる」
「はい、こちら宇宙国際監視課、既に電波の発信元が分かりました。アルタイル星からのようです」
「それは本当ですか。宇宙人からの交信とは凄いことじゃないですか。いや驚いている場合じゃない。総務大臣に報告しなければ」
「しかしアルタイル星まで十六光年もあるんだぞ。今届いたって何年も前に送ったものかも知れない。因みに月まで光では一秒。太陽なら八分十八秒だ。いかに途方もなく遠い星だよ」
 宇宙から我が日本国に交信しているという情報の知らせに総務大臣は驚いた。これまでUFOとか世界各地で噂は絶えないが、どれも未確認で宇宙人の存在が謎とされている。
 それが日本語のメッセーシが送られて来たと報告が入った。総務大臣またデマだろうと宇宙監視センターに向かった。監視センターではたった今、日本文でメッセージが届けられた。

つづく

宇宙人二世 マリア 7

宇宙人二世 マリア 7

  • 小説
  • 掌編
  • ファンタジー
  • アクション
  • SF
  • 全年齢対象
更新日
登録日 2020-03-26

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