林やは

くらくらの、街角に、まるで、星が落ちたかのような、幻想がある。それは、あの子の心臓なのだけれど、ひとは、幻だよという。

神秘を解剖したら、ドロップのひとつにもならない、欠片のような感覚に陥るのに、僕らは夜になると瞑想して、あの子のことがどれほど好きなのか、思い知らされる。美しい人間になりたいなんて、かわいそうで、しかし、かわいらしいことで、僕たちは死んでしまいそうになる。つまり、きみは、流星とともに、溶けてしまいそうになるだろうよ、と。また、人はいった。

僕たちが人を抱くとき、愛が欲しいと神様に懇願しながら、また、人に抱かれていて、街で、はぐれてはならないと思っている。そして、深夜に星が浮かぶことに、子どもの頃を思い出したり、殺してしまいたい人間のことを重ねたりして、また、人に抱かれている。真実を疑っている、その、しゅんかんは、誰よりも美しいと、どうしてだれも云ってくれないのだろう、と僕は云うから、あの子は幻のままなのかもしれないな。心臓とは、ほんとうに、残念だね、と。人がいうことはなくて、僕らは星が落ちた、幻想を、探がす。

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
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