雨と新宿

あたしが新宿に行くときまって雨が降る。南口の前で女生徒を読みながらいつかの日のことをおもいだす。夕頃から雨がぽつぽつ降り始めた。あたしは傘を持っていなかったから、あなたの傘にいれてもらった。でもどんどん雨脚が強くなって、お互いびしょ濡れになった。路地裏で雨宿りしているとき、あなたの横顔に見惚れた。コンビニで傘を買ってくれたけれど、本当は駅まで一緒に濡れながら走りたかった。そんなことがあったのにあたしは新宿に行くときわざと傘を持っていかない。もったいなくて、使えなかった。馬鹿だね。女生徒の表紙の女の子だって、ひとりで傘を差しているのに。

雨と新宿

雨と新宿

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-03-18

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