ルル、いずれは星となる
ルル、きみは星のかけらになる。
ルルだけではなく、おそらく、ぼくも、ゆくゆくはそうなる。星の一部になって、星の一部のなんらかの機能として、生きられればいいけれど、でも、もしかしたら、ただの飾りとしてなのかもしれないし、たかが塵くずなのかもしれない。かなしみは、たぶん、感じないでしょう。さみしいということは、きっとないし(だって、しらないだれかや、もしかしたら、ぼくらのご先祖さまも、いるのかもしれないし)、にんげんだけではなく、どうぶつや、しょくぶつなんかの、いままで星の上で生きていたものたちも、そうなる運命のようだから、だいじょうぶ、みんな、いるよ。
終電を待ちながら、ルルのことを想ってる。
となりにいるひとは、ぼくのなかに、ルル、というひとがいたことを、まるでしらないし、もし、このひとと、先があるとしても、ルルのことを、話すつもりはない。深夜の高速道路に、白い花が雪のように積もった月の夜に、ああ、ルルはぼくよりもはやく、星と同化するのかもしれない、という予感がした。
となりのひとは、うとうとしていて、ぼくは、スマホをながめながら、世界には、いろんなひとがいるけれど、いろんなひとの行きつく先は、おなじところなのだと想像して、なんだかあんしんした。インターネットのなかの、ほんとうのぼくをしらないだれかから好かれることの、ちょっとしたうれしさと、こわさ。
駅の照明が、ときどき、じじっ、と鳴く。
ルル、いずれは星となる