少女と漆黒

純潔を恣(ほしいまま)にしていた少女は

純潔に犯され 弄(もてあそ)ばれ 手放され

ひとつの定義に殺された

じぶんの正義に殺された

こんなはずではなかったと

こんなはずではなかったと

頬(ほほ)滴(したた)らせる少女の泪(なみだ)は

緑(みどり)とともに かどわかされて

地に堪え忍ぶ術(すべ)もなく

誰かの棺(ひつぎ)に閉じ込められる

違う遺伝子と攪拌(かくはん)されて

少女ははじめて死の味を識(し)る

べつの少女を宿した少女は

おなじ思考を観(み)せられつづけ

永久(とわ)の眠りに みちびかれてゆく

少女と漆黒

少女と漆黒

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-03-10

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