身体、ふたつ

身体、ふたつ

     


      
    
現実がなかった。風はあったかもしれない。草が揺れていただろうか。草はあっただろうか。でもあの時、わたしが、なかった。川沿いの夕暮れ。陽射しはあっただろうか。ひとがいなかった。わたしもまたいなかった。数行。訃報。文字がわたしたちとは思えなかった。意識。歩いていたことのみの身体。召された身体。

身体が、ふたつ、なかった。

  


    

身体、ふたつ

作品集1 http://slib.net/a/1845/
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身体、ふたつ

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-02-04

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