こころのタネ


君を恋しがる こころのタネは

綺麗な温室で 毎日新鮮な水を与えられ
大切に大切に育てられてきた

だけどね
一向に芽が出なかったんだ


ある日のこと ポイッと外に放り出され
からっ風 ひとりぼっち震えてる

化石となって
カピカピに乾いた姿のまんま
保存庫の中
日も当たらずにタネのまんま

春になっても
夏になっても
秋になっても
冬になっても

君を恋しがる こころのタネは

消えてしまうのかな
結局 芽を出すこともなく

こころのタネ

こころのタネ

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-01-18

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