工事中

喉にやまびこが届かなくなって
トンネルの前を近道するよ
錠剤みたいな苦さも持たずに
ミントのトローチ優しく積もり
熱で溶けたのか舌で溶けたのか
喉が帽子を脱ぐまで舐めていた
挨拶ができるようになるほど
さよならは言いたく無いから
トローチを噛んではいけないよ
誰かを止めてはいけないよ
歩くんだただ真っ直ぐに
視界を横切る猫に手を振り
走るんだそう一生懸命に
世界を夢見る人と汗を掻き
喉を開く時が来たんじゃないか
この暗闇を抜け出して

工事中

工事中

  • 自由詩
  • 掌編
  • 青春
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-01-11

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