中間決済

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 いや、参った。
 最近、理不尽な怒りが、ただの妬みが、心からの嫉妬が起こらない。
 
 書き始めの初期衝動は当たり散らし。
 癇癪持ちが外で内に問題ばかり起こしてしまい、
それならばいっそやけくそで私小説という形で文章に怒りをぶつけてやろうとばかり、
思いつくままに書きなぐって、実際にはWORDを使っているので打ち殴って、
が正しいのだろうが、体裁など構わずガツガツ文章を連ねていたのに。

 ことがうまく進み始めるとこう、考えすぎてしまうというか、
ああもうそれはやめておこうと思っていた体裁を繕うよう、繕うよう、
物語を寄せてしまっている、そんなカッコつけている自分に気づく。

 今でもモテん。まったくもってモテない。
 それは初期衝動が頭ではなくこの指をひたすら乱れ乱れて、
キーボードを打たせていた当初とてんで変わらない。

 しかし冒頭、先に書いたようにたった数か月前までこの心の奥底で煮えたぎっていた、
年齢=彼女いない歴というコンプレックスからくる、
まったくもって根拠のない暴言の数々が浮かばない。
 これには困った。

 掌編とはいえ私小説と銘打っているため、これまでの人生の中で起こった大小さまざまな出来事、
忘れかけていたものや忘れたくても忘れられないことを、捏造する海馬の中から掬いだし、
とにかく書こう書き続けよう、形として【終】まで持っていくのだと、
まずはそれ第一で、一心になってノーパソの画面と向き合ってきた。

 書き続けていくうちに変化が生じ始める。
 遂行に時間をかけるようになった、自然と。 
 当初いわゆる初稿のまま公開していたが、
ここのところ初稿に半分、推敲に半分と時間を分けるようになった。本当に自然と。
 今では初期に発表した、毎日書き上げてはアップしていたタイトルを見返すのが怖いくらい。

 文章が稚拙だから、もうすべてに手を入れて改稿ならぬ、新~というタイトルで公開したくなる。
 まるでテレビアニメの劇場版化のような行方が、己の性ゆえ考える間でもなく分かってしまっている。
 
 だがそれでは意味がない。
 面白くなくなる、間違いなく。
 下手くそでも、小説の体を全くといって過言ではないほど成していないと分かっていても、
あの時感じた、いや、ぶつけたありのままの感情はそのままにしておきたい。
 不細工なままでいい。

 枚数がなかなか書けず、焦っているのも現時点での実情。
 だったら、書かないで過ごすくらいならばさらに短くとも作品にしてしまえばいいかというとそういうものでもなく。
 理由はこれまで己の性ゆえ。
 今でもギリギリの基準、枚数的に、そこを緩めてしまったらもう甘ったれの性分が爆発して、
今までキープしてきた、自らに課してきた最低限の文章量を、
時間が経ったから、落ち着いたから取り戻そうと思ったとしても、
断言できる、書けない、絶対に。神に誓っても書ききることができない。
 最悪の事態が起こることも考えられる。
もっともっと短くなる、文章が。しまいにはSNS相当のSSになりかねない。

 もう今回はとにかく今燻っている不満をただただぶつけてみた。
 いわば中間決済、のようなもの。
 とにかく何でもいいから文章書かないと、キーボードに触らないと、
もう一文字も打てなく、欠けなくなるんじゃないかと怖くなったから。
 言い訳はいくらでもできる。
お腹の調子が悪い、酒を飲み過ぎた、内職が立て続けに来ています、それはもう無限に。
 でもそれをやってしまったら、本当夢がこの手の中から消えてしまう。

 枕のような、最近ねじれた感情が湧き上がらないというこじつけ、
これくらいしか書きだしとして持ち出せる材料がなかった。
 結果、枚数は書ききれた。
 だがやっぱり俺はしみったれの甘ったれで癇癪持ちの嫉妬にまみれたコンプレックスマンだということを、
改めて認識することにもなった。
 だってこんなにだらだら、言い訳かける人間が真人間なわけないもの、ザ社会不適合者。
 まあいい、みっともなくとも孤独のまま突き進む。
 書いて書いて書きまくる、ただただ夢中になってみせるさ。

中間決済

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  • 小説
  • 掌編
  • 青春
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-01-05

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