多久さんの事件簿【エレガンスな女】

西川詩乃

彼女が今、日本で一番えらい。

多久さんの事件簿【エレガンスな女】42
ミサキは体操選手だった。妹は死んでいない。友達と遊んでいて、不良の毒で死んでしまったのだ。
ミサキはオンボロのアパートに引っ越した。絶望した両親が仕事をしなくなったのだ。
それでもミサキは美人だった。人から笑われても絶望しなかった。
『まだ若いんだし‥。』
ミサキは逆立ちをするようになる。
妹が死んだ場所で、逆立ちで歩いているミサキを見た不良たちは、体を震わせた。
ミサキは優雅に舞えるようになる。

ミサキは、体操教室に通うことになった。
お金持ちがお金をくれ、ミサキは、高校から家を出た。

ミサキはどんどん上っていき、ついに世界大会に出る事になる。
世界のマスコミがミサキに注目した。
おんぼろのアパートに帰って来た時、ミサキはきょろきょろと辺りを見回した。

ミサキがついにエレガンス賞を取った時、僕は、神様に言われました。
今、この人が、日本で一番偉い女性なのだと。

おんぼろのアパートで食事を、小汚い両親と共にするミサキは、世界で一番エレガンスな女性になったのだ。

僕はいまだに言われています。
この人が、日本で一番偉い女性なのだと。
どのあたりまですれば、どのくらい耐えれば、その人になれるかは分からない。
けれど、どんなに頑張っても、私は二番目です。
この人にはどうやっても、叶わないらしい。それほど耐えた方なのだ。

多久さんの事件簿【エレガンスな女】

多久さんの事件簿【エレガンスな女】

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