リボン

ミナト螢

今この場所から離れていく
飛行機や新幹線のように
全てを持っていけないから
思い出に変えて胸にしまうんだ

時が経てばあの日の涙も
私を飾ったリボンみたいに
滑り台を作り未来へと進む
確かな道を刻んでくれたね

名前を呼ばなかった人の方が
記憶に残るほど珍しいのに
天気予報が外れた日くらいは
話をしてみたかったな

稲妻がふたりに鎧を着せた
同じ光と音が交わるなら
驚きも恐怖も笑いに変える
記念写真に映りたくなった

明日は方角を失くすかも知れずに
旅人の靴が底を減らしても
あなたに見せたい宝物をまた
探しに行くのを分かって欲しい

いまこの場所から別れていく
友達や恋人のように
リボンを結んだ絆の前で
帰りを導く指先に触れる

リボン

リボン

  • 自由詩
  • 掌編
  • 青春
  • 全年齢対象
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