商店街のカフェ

窓際の席にいるのはいつも私と君でした。


「あの店に行こうよ。あそこだと集中出来るんだよね」

テストの前日になると君が言います。

「あそこで集中出来るのはお喋りだけじゃん」

そう言って私は君の隣を歩きます。

小さな商店街の真ん中にあるそのカフェ。

私達がまだ中学生だった頃、ささやかな憧れと共にオープンしました。

君はいつものようにミルクティーと日替わりケーキのセット。

私はコーヒーを1杯。

「よくそんな甘いものだけで揃えられるよね」

「よくそんな苦いもの飲めるね」

学校の帰り、初めて二人でこの店に来た日。

このやり取りがなんだか可笑しくて、ここに来るたびに繰り返していました。

ノートを開くとお喋りの始まりです。

いつまでも落ち着かない商店街の通りを横目に、私達は永遠の時間を共有していました。



しばらくぶりのこの街を歩きます。

あの店があった場所の前で待ち合わせ。

本当に永遠になった私達の隣で、君を見つけて手を振りました。

商店街のカフェ

商店街のカフェ

  • 小説
  • 掌編
  • 青春
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2019-12-27

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