酒精に混じって

目の回るほどの強い酒を飲むと色々な自分が見えてきます。

どうしても許せない癖がある。
すぐ口の中を噛む癖とか、
人の裏側を見る癖とか
どうしても直せない癖がある。
照れを暴言で隠す癖とか、
本当を嘘で隠す癖とか

痺れるほど強い酒を飲んだら
今日のあれもこれもそれもなにもかも
消えていくような気がして
冷めた目で睨んだ火照った赤い目の同じ顔を
恨めしく思い舌を出す

吐いてしまえば良かったかな
胃液と共に好きも嫌いも嘘も本当も
飲み下してしまった
胃液と共に言えなかった言葉も全部

救えないようなことがある
泣いた目を拭おうにも
今は生憎ハンカチの持ち合わせがない
救えないような人がいる
泣きついてきたあんたは今は幸せ
それなら僕は

痺れるような苦い恋だって
今となっては若気の至りだって
君は笑うでしょ クソみたいだ
同じ顔頬に触れた冷たい感触
あんたも泣いてるのか

気づかなけりゃよかったかな
バカのふりができるくらいに
中途半端に賢くても意味が無いや
知らないフリしてたんだ
こんなことならいっそバカがよかったな

もう、どうにもならない
叫ぼうにも出す声がない
悲鳴をあげる誰かが心底羨ましい
知らない誰かに励まされたって
拝啓不特定多数への激励も
素直に受け取れないんだ
強すぎた酒が内側を刺激した
眼から嗚咽を吐く

吐いてしまえば良かったかな
胃液と共に好きも嫌いも嘘も本当も
飲み下してしまった
胃液と共に言えなかった言葉も全部

くらくらと世界は回る
明日腫れて開かない眼で
あんたなんか大嫌いだって言えちゃったらいいのにな
同じ顔だらけで
赤い目が閉じて
朝が来たら溶けていく

今日もごめんね

明日もよろしくね

酒精に混じって

二日酔いをする前に吐いてしまえればよかったのに。

酒精に混じって

お酒を飲んで酔っている時に書いたものです。 相変わらずとっちらかっています。

  • 自由詩
  • 掌編
  • 青春
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2019-12-15

CC BY-NC-ND
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