名前のない気持ち

陽風蓮華

名前のない気持ち

あたし、りっぱに立派に傷ついてる。
ちゃんとこころが心が痛い。

今はタイミングが合わなかったんだな、とか
自分もそんなに彼氏が欲しいわけじゃなかったし、とか

自分の気持ちごまかしてた。
目を背けてた。

被害を大きくしないよう、気持ちに蓋をした。
そして、急に現実感。

友達としてならこれからも2人で会える?
……バカじゃない。

何それ、あたしもそんな軽い女じゃないわ。
あー腹立つ。

先のこと言って、はぐらかされて、それで遠回しに遠慮されてる。

それを察すと、自分の気持ちも冷めていく。
それがわかるから余計苦しい。

今は、タイミングが合わなかったんだとか、
そんな正論、そんな綺麗事で、片付けられるほど、あたしは正気じゃない。

やらなきゃいけない事だって、ちゃんと、手につかない。ちゃんと頭に入らない。

奥歯をギュッと噛み締める。
あたしは、ちゃんと好きだった、
あたしは、ちゃんと傷ついて、ちゃんと苦しかった。ちゃんと痛かった。

未来なんて見えないまま、
時間だけが過ぎていく。

名前のない気持ち

名前のない気持ち

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日 2019-12-03

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