アイロニー

花野 尋


のら猫がひだまりでいのちを焚いている

ぼくの左頬に蚊がキスした

ごみを産み出して、木曜にすてる

キッチンの蛇口からぽたぽた水が垂れる

角のない、行き止まりのない地球

建設中の、芸術

ちいさなことを気にしてしまう、ぼくら

そよ風が雑草をゆらして街灯が影をつくる


生きている

生きなければならない

生きてしまっている


みんなしあわせじゃない

それでいいじゃないか

アイロニー

アイロニー

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日 2019-11-09

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