空の清書

空の清書

生きる訳に迷った時は……


毎日のありきたりな風景で、
数字に追われ気にかける
規則正しい暮らしの中で、
俯くことに飽き過ぎると
空を見上げる癖がつく。

疎らな光が広がって
夜空も規則正しく動いてる。
たまに上や下に尾を付け急ぐ者、
たぶんもう見ることの無い流れ星。
過去の時から飛んできて、
これからの時へと流れてゆく。

ぼくより忙しそうだなぁ……

先ゆく者へご苦労さん気をつけてと。
ぼくは相も変わらず同じ場所、
これからの景色を眺めて居る。

水平線が見え出すと、
その上には山が連なる景色に変わる。
海の上に山々が?
天空の緑は真っ直ぐと西東へと続く、
この山々の正体は、うね雲だった。

この頃の空は四季が入り乱れ、
なかなか落ち着かない風が吹く。
乾いたり湿ったり、
雷雨や竜巻もケンカする。
うね雲が照らされると、
ぼくの好きな時間がやって来る。
その東雲は、
空いっぱいにまあるい虹を描く。
ゆっくりと明るくなる頃、
夜空と朝焼けが押し競饅頭してる。

ありきたりな空の色、
過去や昨日とは違う色。
空もぼくも星たちも、
今日これからを生きてゆく。
まあるい虹が終わる頃、
眺めた声に後押しされて
今朝も背中のオリオン座が、
ぼくの心を清書してくれる……

空の清書

空の清書

この瞬間を生きて居る。

  • 随筆・エッセイ
  • 掌編
  • ファンタジー
  • 青春
  • コメディ
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2019-11-02

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