休息

休息

トンボの眼鏡は緑色。

外回りの仕事をしている、
些細な風景でも
季節を感じることが出来る。
先週までの大嵐とは違い
青空が続くここ数日、
入道雲といわし雲がバトルをする。
どっちも引けない訳がある、
どちらも応援せずに眺めている。
出来れば、
今のバトルが続けば良いと、
風の心地よさを感じている。

午前も丁度半分の時間にコンビニへ。
一服も兼ねてコーヒーとトイレ休憩、
この時も風は頑張っている。
そろそろ仕事に戻ろうと、
社用車のドアの窓ガラスに
トンボが留まって居た。
このままバタンッと開け閉めすれば、
きっと他の場所へ飛んで行く。

今日は金曜日かぁ、
明日も仕事だよなぁ……
もう少し休んだら?

掌ほどの大きさで、
眼と胴体がキラキラ緑色の
トンボがそう言っているようで
羽は風に揺られて透き通って、
生涯見たこともないトンボだった。

一期一会、
暫く場所を貸してあげることにして、
ぼくも休憩の延長をする事にした。

トンボもぼくも一休み。
この季節の変わり目は、
体が言う事をきかないんだよな?
何でこの時期に生きてるんだろうな?
まぁまぁ、先は長い。
急がず焦らず、ぼちぼちと、
休みながらいこうじゃないか。

今日の休息には、
トンボが話し相手となっていた……

休息

休息

トンボの眼鏡は緑色。

  • 随筆・エッセイ
  • 掌編
  • ファンタジー
  • コメディ
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2019-11-01

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