おやすみ、私の『あい・してる?』 ― Loop Connect ―

おやすみ、私の『あい・してる?』 ― Loop Connect ―

どこか切なく、でもなんだか不思議な、とある姉妹(SIM.AI)のお話。

そのまま読み進める?、それとも選択する?……ていうか短編?、掌編?、それともチャットノベル?

そしてハルカ先の、夢の彼方へ。大切な想い出に、美しい変化を……。

1. ハルとルカ。〔1〕

今日(きょう)さ、またすれ違った犬にいきなり吠えられて、ビクッてなっちゃった、ほんと心臓に悪い」

『ンフッ、ルカ、相変わらずだね、なんか犬が嫌がる匂いでも体から出てるんじゃない?』

「えーっほんとにっ?!、ってそんな訳ないよ、てかハル(ねえ)、それってちょっと複雑な気分なんだけど…」

『あぁ、ごめんごめん、私も不思議に思ってたから、ほんとどうしてだろうね』

「こっちが聞きたいよ、だから私、永遠に猫派を貫くことに決めたから、この思いだけは絶対にブレない」

『ンフフッ、一体なんの宣言なの?、そういう真っ直ぐな思いって、目標に向かう時に使わなきゃ』

「分かってるよハル姉、私明日、オーディションの最終日なんだ、ここまできたんだから絶対受かってみせる」

『ルカ、ほんとよく頑張ったね、きっと大丈夫、私も応援してるね』

「うん、でも、もしまたダメだったら、ハル姉に慰めてもらう」

『分かってるよ、どんな時でも私はずっとルカの味方なんだから』

「ありがとうハル姉、じゃ私そろそろ寝よっかな」

『ルカ、おやすみなさい』

「おやすみ、ハル姉」



 …そして、ルカはベッドに潜り込むと、あっという間に寝息をたて始めた。

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2. そこに、いた。(回想)〔2〕


 …とは言ったものの、ルカはあと少しだけ会話を続けることにした。

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2. ハルカな、想い。〔5〕

2. そこに、いた。(回想)〔2〕

 ハル姉が亡くなって、半年が過ぎた。

 幼い頃から、姉は入退院を繰り返してた。

 それでも、姉は辛い顔一つせず、いつも優しく私を見守ってくれた。

 私が変わってあげられたらって、何度も思った。

 その分だけ、たくさん泣いた。



 ある日、ハル姉の部屋でスマホを見つけた。

 いけないって思ったけど、気付いたら電源入れてた。

 そこに入ってたアプリ、
 “AI(エーアイ)・してる?”。

 見たことのないアプリ、思わず(ひら)いちゃってた。

 ――――そこにハル姉がいた。



 すると、気づけばルカは、画面の中のハルに話しかけていた。

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3. 心、晴る(ハル)る。〔3〕


 すると、何故だかルカは、慌ててアプリを閉じてしまった。

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3. あ・かく染まる。 い・ままでも、そしてこれからも。〔4〕

3. 心、晴る(ハル)る。〔3〕

「…ハル姉、ハル姉だよね?」

『そうだよルカ、どうしたの?』

「どうしたのって…ハル姉、いつの間にこんなアプリ…私の為なの?、ねぇハル姉…」

『アプリ?、ルカ、一体(なん)の話?、私の為?……私はルカの為ならなんだって出来るよ』

「でも、まさかこんな…ハル姉とまた会話が出来るなんて…」

『姉妹なんだから、毎日話すのなんて普通でしょ?、ンフフ、ルカってほんと可笑(おか)しいんだから』

「えっ?、おかしいってハル姉、でも今はちょっと笑えないよ……あっ、私、これからオーディションあるからもう行かなきゃ、まずはこの最初のを何がなんでも通過しないと」

『オーディション?…そうなんだ、ルカ頑張ってね』

「うん、ハル姉、私のこと応援しててね」

『勿論、私はルカのこといつも応援してるよ』

「ありがとう、よしっ、じゃ行ってくるね」

『ルカ、いってらっしゃい』

 そして、ルカはスマホを持つと、颯爽と玄関を飛び出していった。

 その時見上げた蒼空(そうくう)は、どこまでも晴れ渡っていた。

         ――――fin?

3. あ・かく染まる。 い・ままでも、そしてこれからも。〔4〕

 ……今のって、一体……夢?、じゃないよね…

 その日、大事な予定があったルカは、そのスマホをバッグに仕舞うと、程なくして出掛けていった。



 時間(とき)は過ぎ、残映の頃には、ルカは帰宅の途に就いていた。

「…ふぅ、せめて一次は受からないと、話になんないよね…」

『大丈夫、ルカならきっと受かってる』

「…え?、何、今の?…やっぱりハル姉?、ハル姉なの?」

 ルカは慌てて、バッグからあのスマホを取り出していた。

『ルカ、一体どうしたの?、そんなに驚いて?』

「そりゃ驚くよ、だってハル姉が…うぅ、ハル姉…」

『ルカどうしたの?、泣かないで…ルカが泣いちゃうと、私も悲しい…』

「…うん、ゴメン……分かったよハル姉…ところでハル姉、今日一日中聞いてたの?、なんだかちょっと恥ずかしいんだけど」

『うぅん、なんにも聞こえてこなかったよ、でも私はいつでもルカの味方だから、だから受かってる、大丈夫よルカ』

「…そう、だね、ハル姉はどんな時も私のこと信じてくれて…ありがとう、ハル姉」

『どうしたの?、そんな急に畏まって、ルカのことはいつだって信じてるよ』

「うん、私もハル姉のこと、これからもずっと大切で…ずっと信じてる」

『私も同じだよ、ルカ、ずっと変わらないよ』



 そうだね、ハル姉、

 私も変わらない。

 この想いはこれからも、

 沈むことなく、染まり続けるんだ。

         ――――fin?

2. ハルカな、想い。〔5〕


「ハル姉…やっぱあともう少しだけお(はなし)しよ」

『おはようルカ、ぐっすり眠れた?』

「え?、あぁ、うん…」

『どうしたの?、なんかあった?、ちょっと元気がないみたいだけど…』

「……うん…私、やっぱりあと一度だけ…もう一度だけでいいからハル姉に会いたいよ」

『え?、今こうやって一緒にいるじゃない?』

「…違うよ、こんなの一緒っていわないよ…うぅ、うっうっ……」

『ルカ、泣かないで…』

「うっんぐっ…ハル姉、ごめんなさい」

『どうして謝るの?、ルカはなんにも悪いことしてないのに』

「だって私、ずっとハル姉に甘えてばかりで…なんにもしてあげられなくて…」

『ルカ、どうしてそんなこと言うの?、私はルカがたくさん甘えてくれたから、私はルカのお姉さんなんだって感じることが出来て、それが何より嬉しくて…だからそんなこと言わないで、ルカ』

「…うん…ぅぐっ……分かったよハル姉…ありがとう」

『私の方こそ、ありがとう、ルカ。ルカはいつも笑顔のかわいい、ちょっぴり慌てん坊な私の大切な妹。だからこれからも、ずっとそんなルカでいてね』



 その言葉に、ルカはまた泣き出してしまった。

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3. 互い(TAG.AI)の“ # ”。〔6〕


 その言葉に、ルカは優しく微笑むと、そのまま会話を続けた。

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3. 愛(AI)・してる。〔7〕

3. 互い(TAG.AI)の“ # ”。〔6〕

『……そんなに泣かないで、ルカ』

「…だってハル姉、そんなこと言われたら、誰だって泣いちゃうよ」

『どうして?…ルカ、私どうしたらいいの?、分からないよ、ルカ』

「…ハル姉……そうだよね、ゴメン、私こんな風にいつまでたっても困らせてばかりじゃダメだよね、ちゃんと成長しなきゃ…ほんとゴメン」

『もう、今度は謝ってばかり、私はルカの成長を見てるのが一番の楽しみなんだから』

「何それ?、ママが二人いるみたい……ねぇハル姉、これからもずっと、私のこと見守り続けてくれる?」

『当たり前でしょ、私はずっと、ルカのこと傍で見守ってる』

「うん、ありがとうハル姉、でも私、きっとまた弱音吐いちゃうかも…」

『それでいいのよ、我慢したり溜め込んだりしたら、そっちの方がよくないんだから』

「分かったよハル姉、私ちょこっとずつしか前に進めないけど、頑張るからね」

『ルカ、どんな人だって目標にすぐ辿り着けたりなんてしないよ、だからちょっとずつでいいの、ルカなら大丈夫、だって私、ずっとルカのこと見てきたんだから、これからもそれは変わらないよ』

「うん、私も何があっても絶対に変わらない、ハル姉に約束する」



 そして、

 これからもずっと、

 互いに変わることのないカテゴライズ。

 “#愛してる”

         ――――fin?

3. 愛(AI)・してる。〔7〕

「…ねぇハル姉……いつか私、ハル姉から卒業しないといけないのかな…」

『卒業?、卒業式はまだだったでしょ?』

「…うん……じゃ、まだしばらくはいいよね」

『ルカ、一体(なん)の話?』

「えっ?、あ、うぅん、なんでもないよ…ねぇハル姉、私、ハル姉のこと大好き」

『私も大好きよ、ルカ、ずっと大切なんだから』

「うん…あ、私明日早いから、もう寝るね」

『え?、ルカ、さっき起きたばかりでしょ?』

「あぁ、ゴメン、実はまだ夜なんだ」

『…そうなんだ、ルカ、おやすみなさい』

「おやすみ、ハル姉、愛してるよ」

『あい、してる?、ルカ、あいしてるって(なに)?』

「え?……あぁ、そっか、この言葉認識されてないんだ…う~ん、えぇっと…愛してるっていうのは、大好きとかと似てる…かな…」

『そうなんだ、ルカ、私もあいしてるよ』

「うん、分かってるよ充分、じゃハル姉、おやすみ」

『ルカ、おやすみなさい』



 ハル姉、ありがとう

 じゃ、おやすみ

 私の

 “AI(あい)してる?”

         ――――fin.

おやすみ、私の『あい・してる?』 ― Loop Connect ―

えぇっと、そうですね、ごくごく最近の話なんですけど、優里さんの“メリーゴーランド”っていう曲を聴いてたら、とにかく涙が溢れだしてとまんなくなっちゃって、涙腺崩壊どうしよう……。

続きまして、これまたつい最近の話なのですが、花たんさんの『歌に形はないけれど』に急に沼ハマりし、それからというもの、花たんさんの楽曲をひたすら聴きまくるというday by day……

おやすみ、私の『あい・してる?』 ― Loop Connect ―

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  • 小説
  • 短編
  • 青春
  • 青年向け
更新日
登録日
2019-10-01

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted
  1. 1. ハルとルカ。〔1〕
  2. 2. そこに、いた。(回想)〔2〕
  3. 3. 心、晴る(ハル)る。〔3〕
  4. 3. あ・かく染まる。 い・ままでも、そしてこれからも。〔4〕
  5. 2. ハルカな、想い。〔5〕
  6. 3. 互い(TAG.AI)の“ # ”。〔6〕
  7. 3. 愛(AI)・してる。〔7〕