或る日々。そして。

煙草の香りは交わり消えゆく

世界を 閉ざした部屋

煙草が チリチリと燃える音

静寂 ただ 静寂

ひと と ひと

少しずつ過去を置いてきた街
地下道に香るあの日々の欠片

痛みと 寄り添うように

でも

こうして

生きて

歩んできた

手向けた紫煙が ゆっくりと昇る

少しだけ

少し だけ

2人

逃避行

日常を拒む

陽の光は

いらない

わたしたちが

拒絶してやったのだ

廻る 世界を

言葉は

切に

意味を持ち

そして また

意味を失くした

肌の温度が

いつになく饒舌に

2人に

今 を教えた

轟く 雷鳴

窓を叩く雨音

2人

笑い合う

秘密

今日が終わる

珈琲の香り

指切りをした

少年のように笑うひと

未来が始まる

この街から

雨を受け止める

この身体で

雫で潤すこころを

未来の2人に届ける

だから
そして

生きる

生きていく