便り

音澤 煙管

便り

風吹けば……

気が付けば、この空に……



風が止まなくなる頃、

陽射しが優しくなる、

朝晩の温度差が拡がる、

鼻っ風邪を引く、

陽出の空色がくっきり見える、

西陽の影が長くなる、

山の色が変わってゆく、

落葉が日に日に増えてゆく、

夜中に猫が彷徨くようになる、

富士山に雪が積もり始める、

海には兎が跳ね回る、

湿っていた風が乾いてゆく、

明るい頃より暗いうちが騒がしい、

夜空の星が綺麗に見える、

お腹が空き美味しくなる、

月灯りで本を読む、

風あざみのうた歌う頃……

毎年ぼくらが黙って居ても、

必ず秋の便りはやって来る。

便り

風邪を引く。

便り

普段の暮らし、毎年のこの頃に。

  • 自由詩
  • 掌編
  • ファンタジー
  • 時代・歴史
  • コメディ
  • 全年齢対象
更新日
登録日 2019-09-18

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