夜市ーズ

とにかくよかったっていうのが動機になったよね

『DESTINY 鎌倉ものがたり』の映画はとても面白かった。
これは個人個人によって見解などが分かれるだろうが、私は面白かった。
ファンタジーものは普段あまり受け付けない体質なのだけど、これは楽しめたと言っていいと思う。

で、あのようながっつりとしたファンタジーモノを心が折れることなく最後まで観れたのは、私個人の見解だが高畑充希女史のキャラクター性能が優れていたという点によるものだと思われる。
ちなみに他の誰かが悪い、悪かったと言う事ではない。それはお断りをしておく。私には演技の良し悪しなど一切わからない。うまい下手それを判断する資格めいたものは私にはない。そもそもどうして私がそんなことをわかり得るのか?
わかるわけねえ。
だから繰り返しになって恐縮だが、高畑充希女史以外の他がおかしかったとか、そういうことはない。個人的に高畑充希女史の感じが気に入ったと言うことだ。そもそもがファンタジーモノだし、多少おかしい演技を求められていたのかもしれないし。あと私は原作も知らないし。

あとムロさんの部分で多少泣かされた。そして高畑女史のぶっ飛んだキャラクター。それに尽きる。

そういう話。そういう感想。

そんで何よりも私の中で、あの映画の評価を上げたのはエンディングだった。

宇多田さんの『あなた』って言う曲が流れ出して、私自身、
「あら、宇多田さんだか?」
程度の感じで、別にファンとかじゃないと思うんだけど、でもなんというか、

その、

『あなた』

は、とてもいい曲だった。

私には。

驚いた。びっくりした。

いわゆる他人にとってそれがFirst Loveなのか、travelingなのか、COLORSなのか、Beautiful Worldなのかみたいなことで、それを、あの映画のエンディングを聞いたとき私の中で、宇多田さんが『あなた』になった。

現時点では。現時点での私は『あなた』になった。

そのとき当然初めて『あなた』を聞いたけど、これはもう多分僥倖であったと思う。

知らずに一生を終える可能性もあったわけだから、多分僥倖ということでいいと思う。

僥倖でした。よかったでした。

そんなわけで、あのエンディングであの映画自体の印象がすごくあがったというのもありまして、はい。まあ仕方ないでしょうね。私も人間ですから。

あのエンディングのおかげで、
「お疲れ様です。面白かったです。まあこんなもんですよね」
っていうのが、
「おや?もしかしたら面白かったんじゃないか?」
っていう感じに変わった。

「鎌倉行ってみようかな」
って思うくらい変わった。
「夜市とかも興味あるしな」
ってなるくらい。

で、こないだ実際埼玉から電車を乗り継いで行ってみた。
「おおお・・・」
鎌倉の夜市。そしたら、

「ここで写真撮ろうぜ」
「タピリながら、映えるの撮ろうぜ」

「・・・」
えー。

っていう感じで、想像以上に観光地になってた。夜市。

内心、

内心では恒川光太郎氏の感じを期待していたもんだから、
「こんなに・・・?」
がっつりと観光地化されていて、呆然となった。

JKとかがタピリながら
「夜市ーズ!」
って夜市とチーズを掛け合わせた造語で写真を撮ってた。ピースも裏向きのピースだった。

夜市ーズ

夜市ーズ

  • 小説
  • 掌編
  • ファンタジー
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2019-09-09

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted