夏の芝生を枕にして

出かけるようになりました
ぼくは相変わらず
ぼくは相変わらず
相変わらず
相変わらずです

木陰に行くのは気が引けたので
芝生の拡がるところへ行き
考えていたことを脱ぎ捨てて
太陽に睨まれながら
ぼくも負けじと睨み返して
蝉時雨を聴いています
蝉時雨を聴いています
鬱陶しく思っていたこの不協和音も
期間限定のライブです
聴衆はぼくひとりだけです
ライブが終わってしまうのが
歳を重ねるたびに寂しくなって
時々彼等の真似をします

出かけるようになりました

出かけるようになりました

夏の芝生を枕にして

夏の芝生を枕にして

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2019-08-16

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