きっと、歌を拾いました

きっと、歌を拾いました

   






きっと、歌を拾いました。

夏の面影がまだ足跡を刻まずに。


名前を呼びたい。名前を名づけたい。わたしが決めたもの。わたしによって尊いもの。

迷い続けるわたしの零れを、受け浸してくれるもの。



名前を呼ばれたい。名前を名づけられたい。わたしを選んでくれたもの。

わたしがそこへ行きたいもの。そのために生き延べてゆきたいもの。


主旋律は美しくなくていい。寂しくていい。

むしろそれはわたしによって、遂げられるものであってほしい。



救いでなくていい。救われなさでもいい。

だけどわたしは救いたい。おこがましくても、わたしがかなえたい。


もうすぐわたしが見えますか。わたしを得てくれますか。迎えてくれますか。


きっと、歌を拾いました。

冬の木漏れ日に、ひとを映し続けました。


  

きっと、歌を拾いました

作者ツイッター https://twitter.com/2_vich

きっと、歌を拾いました

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2019-08-01

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