深底の思想

深底の思想

   








深い底にこそ

恐慌の兆候は宿った



沈没船への微細な光

私の何を映す?


それは私の突起に

私を前提としない闇で降りてくる


私は砂に埋もれながら

水の揺らぎの虚ろな番人になるのだ



祝杯の行き先も知らぬまま

私は

時間に

殺ぎ落とされてゆくのだ


この狭小な拘泥の底で

私は

時を 窺っている

そうしながら 私は

グラスの混迷に眩暈し

拘泥を這いながら

時に殺がれる


道連れを探していた


狡猾な私の

哀しい術策で

私はこの深海の

爆笑の孤高の 道連れを求めた


私はきっと

覚えぬ過去から吹きだされた


この低位の沈黙に投げ込まれたのだ


塞がれた時間

明るみの上位から降りてくるものから

見離されたIsoration


Have you seen your own place?


立脚させた問いの灯篭は

吹き上がる砂流に飲み込まれる


投げ込まれた


私に

確率の高い名前はない


私は 調べる

丸呑みした奴等の

どれだけかの孤独を


計り知れない私には

奴等を

計り知ることが可能だ


美しい色彩を帯びた連中の

貧弱な孤独を計るのだ


孤独が貧弱?

私は私の奥深い孤独に 優位性を与えるのか?


奥深い孤独? 私は私の孤独に 自尊を与えるのか?


哀れだった


醜悪な金曜日の化粧の私を

死臭に塞ぐ地上が出迎える


私に似た孤高を見つける



彼らは私の如く

「長い広場」を知らない

それは大気に近い至高だ



孤高の観念は

自傷を重ねて

「長い広場」を遠ざける

死臭のみを喰らう


「どこから帰ってきたクソ死に損ないZpfxなのだ?」


深底の思想




  

深底の思想

作者ツイッター https://twitter.com/2_vich

深底の思想

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2019-07-01

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