だれかの青春が煌めいた

花野 尋

 2時間の休憩をもらって、19時、目黒川に沿って歩く
マンションとかオフィスビルの明かりがゆっくりと静かに、夜に溶けはじめる


 公園のベンチに座って、ぼーっとする
大学生が滑り台で遊んでいる
青春だ
その青春のとなりを電車が通りすぎた
電車は彼らの声をかき消して
目黒川は静かにゆれる
疲れきった僕の表情は、街灯の白いひかりにわずかに照らされた
この木の葉の裏側みたい


 大きな笑い声がした

彼らの1人が滑り台から転げ落ちた
それを見て、クスっと笑ってしまった
恥ずかしくて、川の向こうの空を見た

 右耳からそっと、笑い声が夜にすいまれていく


19時、2時間の休憩、目黒川
小さな公園で
誰かの青春が煌めいた

だれかの青春が煌めいた

だれかの青春が煌めいた

  • 自由詩
  • 掌編
  • 青春
  • 全年齢対象
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