【声劇】猫を追いかけたはずなのに!【台本】

女性二人でやるサシ劇台本。叫べない方にもおすすめ

登場人物
リリ(♀)…高校生。おとなしく、のんびり屋な女の子。
友蘭(ゆらん)(♀)…リリの友達。最初しかでてきません。モブにお名前を付ける系作者です。
??(不問)…猫の見た目をしている。二足歩行できるし人の言葉を話せる。

・友蘭と??が兼役
…というか、友蘭がほとんどセリフがないので実質兼ねの二人台本です。
・心情の部分は読んでください。


リリ「う、んー…!(伸びをする)学校終わり…っと。疲れたー…今日は帰りに甘いもの食べに行こっと。頭を使ったあとの甘いものは、格別だからねぇ…♪」
友蘭「リリ、放課後暇なら一緒に遊ばない?」
リリ「あ!良いね。一緒に寄り道しちゃ…ん?」
(ふと窓の外を見て、1匹の猫が早足で駆けて行くのが見える)
友蘭「リリ?どうしたの?」
リリ「ううん!ごめん、今日はパス!寄りたいところあるから。じゃあ、また明日!」
友蘭「え、ちょ。リリ!?…って、もう行っちゃった。」

(リリが猫を追いかけて走る)

リリ「(なんでか分からないけど、あの猫さんすっごく気になる!それに、猫なのに毛並みの色が見たことも無いし!)」
??「…ちょっと!いつまで追いかけて来るんですかぁ!?」
リリ「あなたが止まるまで…かなぁ!」
??「急に追いかけて来られたら、走りたくなくても走っちゃいますよお!一旦止まって貰えません?」
リリ「あ…それは、ごめんなさい。…ん?」

(リリが当たりを見渡す。しかし誰もいない)

リリ「…私は、誰と会話を?」
??「僕ですよ!」
リリ「…へ?」

(目の前の猫が振り返り、後ろ足で立ち上がる)

リリ「ね、猫が…しゃべ…!?」
??「何をそんなに驚いているんです?僕のこの、ただならぬオーラに気付いて追いかけてきたんじゃなかったんですか?」
リリ「や、ちが…え、え…!?」
??「なんだあ、違ったんですか。おっかしいなぁ、予定が狂っちゃうなぁ…ブツブツ」
リリ「ど、どうしよ…警察?警察に連れていけば良いのかな…!?」
??「あああ待ってください!とりあえず、あなたのお家にお邪魔します!そこでお話しましょう!」
リリ「え、わ…私の家…!?」

(リリと??が移動)

??「ふぅ!お邪魔します。いやぁ、最近暑くなってきたから汗かいちゃいますよねぇ。あ、どうぞくつろいでください!」
リリ「どうして招かれざる客が家主のようなことを言っているんだろう…」
??「あー、あと。すみません、飲み物貰えませんか?」
リリ「う、うん…?えっと、何が良い?」
??「コーヒーが良いです!キリマンジャロじゃないと、受け付けません。」
リリ「分かんないよ…。」
??「んじゃあ、お茶で良いですよ…。」
リリ「どうして上から目線なんだろう…。」
??「そんなことより!僕のお話を聞いてください!」
リリ「騒がしいなあ…。」

(リリが二人分のお茶を出す)

??「ん?どうして二人分なんですか?おかわりなら欲しい時言いますよ?」
リリ「私の分だよ…!」
??「あぁ、なんだあ。」
リリ「(独り言)もしかしてもしかしなくとも、おバカさん…?」
??「何か言いました?」
リリ「い、いや!なんでも…!それで、お話って…?」
??「(お茶を飲み)あ、そうそう。あなたが僕の纏うただならぬオーラを感じて追いかけて来た。そうですね?」
リリ「いや、違うんだけど…。」
??「(被せるように)そんな持ってるあなたに!」
リリ「何をかなあ!?」
??「所謂『戦う女の子』になっていただきたいと思いまして!」
リリ「…うん、予想の斜め上からくる展開についていけなくなってきちゃった。」
??「僕と契約して、魔法少女になっ…」
リリ「(被せるように)ストップ!それはアウト。いろいろアウト!」
??「じゃあ、なんて言ってほしいですか?」
リリ「いや、言うまでもないけど希望なんてないよ…?」
??「じゃあやっぱり、僕と契約して…」
リリ「だからストップ…!」
??「…はあ(ため息)。分かりましたよ、注文の多い女の子だなぁ。」
リリ「(独り言)だから、どうして上から目線なんだろう…」
??「あぁ、お話それちゃいました。それで、なってくれますか?なってくれないんですか?」
リリ「いや。急にそんなこと…言われても…。」
??「言われても?」
リリ「大体、私たちお互いの名前も知らないし…。」
??「…ふむ。」
リリ「(あ、分かってくれたかな。)」
??「パートナーとの絆に、名前なんて不要です!」
リリ「大事だよ…!そんなこと言われても困るし…!」
??「んー…仕方ないですねえ。僕の名前はノックです。コンコン!のノック。あ、でも狐じゃないんですけどね。」
リリ「そう、だね。どちらかというと猫っぽい…。」
ノック「失礼ですね!僕は猫じゃありません!」
リリ「え、えぇ!?」
ノック「妖精ですよ、よ・う・せ・い!」
リリ「な、なるほど…(?)」
ノック「ただの猫が、二足歩行したり人の言葉をしゃべったりすると思います?」
リリ「確かに。ない、かも…。」
ノック「でしょう?さ、次はそちらの番ですよ!」
リリ「えっと…私はリリだよ。」
ノック「リリ!ぽいですね、ぽい!」
リリ「(独り言)何がだろう…。」
ノック「さあ!『戦う女の子』になる用意は、できましたか!?」
リリ「いや、待って待って…!」
ノック「…今度はなんですか?」
リリ「いや、だから。そもそも…。」
ノック「あ、分かりました!変身衣装が見たいんですね!それでは早速、変身しちゃいましょう!」
リリ「いや、ちょっと…!?」

リリ「(こ、これ。アニメとかだと光を纏って衣装変わったりするけど、現実ってどうなっちゃうの…!?)」
ノック「…?リリさーん?」
リリ「な、なにかな!?」
ノック「何かな!?じゃないですよ。これ、衣装です。」
リリ「へ…?」
ノック「え?」
リリ「あ、いや…。」
ノック「あ、もしかしてアニメ的な展開を期待しちゃいました?」
リリ「ち、ちが…そんなこと…!」
ノック「あれ、正式に契約しないとできないんですよねえ。すみません」
リリ「や、別に…!」
ノック「アニメとかで見るあれ、実は初っ端から勝手に契約しちゃってるんですよ?最終的に上手くいっているからいいものの。僕的にどうなの?って思っちゃいます。」
リリ「そうなの…?」
ノック「いえ、適当に言いました。僕の憶測です!」
リリ「えぇ…。」
ノック「で!どうです?この衣装。デザインは結構自信あるんですよね!」
リリ「(あ、結構可愛いかも…)」
ノック「んふふ、衣装がダサいから断られてたんじゃやっていけませんからねぇ。」
リリ「(けど、着れても一年くらいかなぁ…)」
ノック「…あの、聞いてます?」
リリ「う、うん!」
ノック「衣装、どうですか?」
リリ「わ、悪くないと思い…」
ノック「(被せるように)じゃあ、早速着替えてください。」
リリ「…え?」
ノック「早く!」
リリ「な、なんで…?」
ノック「あれです!」

(ノックが窓の外を指さす)

リリ「な、なに。あれ…」
ノック「魔物ですね。」
リリ「いきなり非現実的すぎない…?」
ノック「妖精だの戦う女の子だの言ってる時点で、ノンフィクションからは脱してますよ!」
リリ「そうかもだけど…!」
ノック「着替えて、窓から外に飛び出して、戦うのです!」
リリ「きゅ、急すぎるよ…!」
ノック「…あっ、時間が。」
リリ「え?」
ノック「新たに誕生した戦う少女、リリの運命やいかに!?次回、バトルガールリリ第二話!」
リリ「え、ちょっと…!私まだ戦うなんて言ってな…」
ノック「お楽しみに!」

【声劇】猫を追いかけたはずなのに!【台本】

【声劇】猫を追いかけたはずなのに!【台本】

  • 小説
  • 掌編
  • ファンタジー
  • コメディ
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2019-05-26

CC BY-NC-ND
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