いつかの部屋

いつかの部屋

   








あの日以来

僕のなかで

たくさんの部屋に たくさんの君がいた

それは混沌としていて

僕をひどく惑わせた

僕は 僕を傷つけた

だんだんわかってきたんだ

君には 僕のなかで 一つだけの部屋でいいんだと

だからね

いまは 部屋を設計している

少しずつ 少しずつ

いつか 君の部屋をつくる

君だけの一つの部屋 僕のなかで

そうすれば 安心して呟けるから

ひっそりと 君の名前

そして そのときに

そのときに 初めてお礼が言える



「おやすみね。安心してね。いまも、しあわせだからね」




  

いつかの部屋

作者ツイッター https://twitter.com/2_vich

いつかの部屋

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2019-05-20

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