Ciel étoilé

ねぇ今どこにいるの わたしここにいるよ
あなたどこにいるの わたしここにいるよ
わたしここにいるよ わたしここにいるよ
あなたのことを思うたびに 思いは想いに遷移して
わたしといたことを反芻するたび この動悸はおさまることを知らない
決してこの動悸は負の情念に拠るものではない
決してこの懸想は貴女を受け入れない行為ではないと信じていたかった
そこはどういうところなのだろう
そこには一体なにがあり誰がいるのだろう
誰かいるのだろうか
わたしひとりだけだろうか
貴女は貴女の名前が嫌いだった
わたしはあなたのすべてを汲みきりたかった
わたしはあなたの柵を粉々に砕きたかった
わたしはあなたとはなしをしたかった
そしてずっとはなれたくなかった
永劫を否定することは劫末のなかに解放的退廃感を見いだすことに近いと思った
わたしは永久を信じたかった
あなたは永久を信じなかった
あなたの文学はやさしくわたしのあたまに語りかけた
わたしの粉末は脆弱性を纏って知らない宙に舞った
逢うことは顔で会話することでも声で会話することでもない
わたしとあなた
それ自体が対峙していることだ
わたしは逢うことができなかった
とは思いたくない
命のない永久の國を信じているから
そしたらあなたの言っていた通り
そしたらあなたの言っていた通り
強く強く強く
強く抱きしめてあげたい
わたしはあなたがつくった別のあなたに奪われた
わたしはあなたのつくった國にいつの日か棲みたい
そしたら甘いものと甘いことばをならべて
たわいもないことをいいあいたい
わたしはわたしになれなかった
あなたはあなたになれたのかな
わたしは喪ったものにふたたび絞められないように
死んだことばを踏み潰さないように
あなたのすべてを感じるように
きょうもあなたのことを想う

Ciel étoilé

Ciel étoilé

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2019-04-30

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