【宵闇空渡し】

【宵闇空渡し】

 瞼の裏側は想いの星が刻まれて瞬く間
 なあなあのアナウンサーの垂れた雑音が消える
 替りに 血液が循環する拍が心を絖尽くす
 よくやったね偉いね って
 今日一日を自分で撫でて欲しい
 本当は誰でもいいけどひとりぼっち で
 詰めたくても入らないから
 あったかいお風呂に叱ってもらおう
 泪 洗い流して 夜。

 世界の吐息を隠すためイヤホンに浸る
 好きなイロに包まれるけど全く聞いてなくて
 結局は自分の煩い心臓を掴みたいだけなのだ。
 そうやって苦しいでしょって
 幸せに溺れて 泡沫のようにみせかけで
 現実は外れて絞まって自分に慣れあって
 月並みに雑踏に流されていく
 それが事の調べ。
 当然なのに納得できない狂い時計
 かちこちとあちこちらそっちどっちへ
 続きは床に繋がる 私
 おつかれさま ね、 渡して。

 何も無い見得ない夜空は怖い。
 ふたり流星群を見にいって 隣で眠る彼 お疲れ様。
 空から落ちてゆく光に もう怖くて怖くて。
 月も隠れる闇の中
 星が宙に満開の閃を瞬かせ
 幾つものせんを描き出す 歴史が其処に奔る
 虫の音の静寂が煩いほど鎮まり還って。
 ひとりではどこにいるのかわからなくなる。
 眩むほど惹かれて元素に還る。返還
 ぎゅっと握ってて欲しかったのに。
 さようなら
 流れ星 願いは何だったのかしら

 やっぱりひとりぼっちはじゆうでここちよい
 いつでもしあわせにいだいてくれる夢に
 今 続きを明日に期待している
 おやすみなさい
「よいやみからわたし」

【宵闇空渡し】

【宵闇空渡し】

当然なのに納得できない狂い時計 かちこちとあちこちらそっちどっちへ

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2019-04-25

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