死んでも俳優~それこそが役者魂(プライド)~

COLK 作

  1. 1.大人気俳優
  2. 2.え!?俺、まさか、死んじまったの!?でも、何で!?
  3. 3.やっぱり、俺、本当に死んじまったんだ・・・・・・
  4. 4.最後の希望は親友
  5. 5.え!?嘘だろ!?
  6. 6.本当に他の人達に見えてない!!!
  7. 7.スタッフ達も信じられない雨澤の死
  8. 8.肉眼で見えない雨澤の姿がカメラに!!!
  9. 9.死んでも俳優が出来る?!
  10. 10.1つだけお願いがあります

1.大人気俳優

大人気イケメン俳優「雨澤恭時あまざわきょうじ」。32歳。

彼は、人気だけでなく、実力も高い、国民的スター。さまざまなドラマ、映画、舞台、ミュージカル、バラエティ、CMと、あっちこっちから引っ張りだこだった。



ある夏の日の事。



「お疲れ様でした~」

「はい。お疲れ様でした~」



「今日も仕事が終わったな~」



雨澤は、1人で居酒屋に寄り道し、ビールやワイン、焼酎など、色々な酒を飲んだ。

「か~っ!!仕事の後の酒は最高~~~!!!」



酒を飲んだ後、雨澤は帰った。



ドアのカギを開けて、家に入り、そして、ソファーに座る。

だが、「ただいま」は言わない。そう、雨澤は、1人暮らしなのだ。



「フ~ッ!!今日は疲れた~!!!」



そのまま、雨澤は寝た。

2.え!?俺、まさか、死んじまったの!?でも、何で!?

次の日の朝。



「フ~ッ!!良く寝たな~!!!」



しかし、何かいつもと違う。



「アレ?何か妙に身体が軽い?気のせいかな?」



とりあえず、雨澤は、台所へ向かい、冷蔵庫から色々なモノを出して、朝食を食べ、コーヒーや牛乳を飲む。そして、

歯を磨こうと思い、洗面所へ向かった。



だが・・・・・・



「ア・・・・・・!!アレ・・・・・・!?」



そう、鏡には、自分が映っていなかったのだ!!!



(ど・・・・・・どういう事だ・・・・・・!?まさか、さっき起きた時に妙に身体が軽過ぎるような気がしたのと、

何か関係があるのか・・・・・・!?)



急いで寝室に戻ると、そこに、自分の身体があった。



(やっぱり!!!まさか・・・俺は、死んじまったのか!?でも・・・何で・・・・・・!?)

3.やっぱり、俺、本当に死んじまったんだ・・・・・・

少し考えて、誰かにその事を話す事にした。だが、もし、本当に自分が幽霊だとしたら、自分の姿が見えたり自分の声が聞こえたりする人は、そうそうはいない。だが、雨澤は、

自分の姿が見えて、自分と話が出来る人間を探してみる事にした。



とりあえず、外に出て、色々な通行人に声をかけた。



「すいませ~ん!!!すいませ~ん!!!」



しかし、なかなか、誰も、反応しない。



(やっぱりな。俺は、死んじまったんだ。幽霊になったなんて、受け入れたくはなかったけど、もう、ここまできたら、

受け入れるしかないのか・・・・・・)



その後も、とにかく色々な場所をあたって、自分の姿と声を認識できる人を探したが、なかなか見つからなかった。



「畜生~~~!!!」

4.最後の希望は親友

最後に、イチかバチか、同じ俳優の親友を頼ろうと思った。



「ハァハァ・・・・・・」



走って親友の家へ向かった。



〝ピンポ~ン〟



(身体はないけど、触れる事は出来るんだな)



「は~い」



ドアが開いた。



〝ギィ~〟



「おう!!恭時!!!どうしたんだよ!!!」

「良かった!!!」

「え?」

「盾哉、俺が見えてるんだな!!」

「え!?何だよ!!(笑)何ワケわかんねぇ事言ってんだよ!!!」

「ちゃんと、俺の声も聞こえてるんだ!!!良かった!!!

コレは奇跡だ!!!」

「いや!!お前、おかしいぞ!!!どうしたんだよ!?」

「いや、俺、実は、死んじまったんだよ!!!」

「は!?」

5.え!?嘘だろ!?

そう、彼は、雨澤の親友で、同じ俳優である親友、

「阪部盾哉さかべじゅんや」だ。



「ん~、お前の話は、どうも信じられんな。そもそも、

昨日会った時だって、元気にしてたじゃねぇか」

「俺だって、信じられないんだよ。何で突然、死んだのかも分からないし」

「う~ん・・・・・・」

「分かった。じゃあ、俺が証拠を見せるよ。そうだな~。

鏡、あるか?」

「ん?あぁ」



雨澤は、鏡の前に立った。



「アレ?お前、ここに立ってるはずなのに、鏡に映ってない!?」

「あぁ、コレが証拠だよ。一応、他にも何か証拠を見せようか?」

「あぁ。でも、今度は、どんな証拠だ?」

6.本当に他の人達に見えてない!!!

「外に出よう」



「あの~。あの~」



雨澤は、色々な人に声をかけたが、皆、全く反応しない。



「アレ?皆、お前に全く気づいてない!?」

「そうだよ。皆、俺の姿が見えないし、声も聞こえないんだ」

「マジかよ!!!」

「どうだ?これで信じてくれたか?」

「あぁ・・・けど、どうして、他の人達に見えないお前が

俺には見えるんだ?」

「さぁ?それも、分からない」

「ん~・・・それに、俺は、今まで幽霊なんて、見た事が

ないんだ。なのに、何で?」

「いや、幽霊だって、人間の姿をしてるんだ。どれが生きた人間でどれが幽霊かなんて、今みたいに確かめないと

分かんないモンさ」

「そうか。確かにそう言われてみればそうかもな。じゃあ、俺は、霊感を持ってて、これまでにも色んな幽霊を見た事があって、それが全部、〝幽霊だと知らないでいた〟って事か?」

「多分な。俺も、良く分からないけど」

7.スタッフ達も信じられない雨澤の死

「でも、これからどうする?」

「う~ん・・・・・・」

「あ!そうだ!!」

「ん?」

「俺が代わりに事情を説明するから、とりあえず、ドラマのスタッフさん達のところへ行こう!!」

「あ、うん」



雨澤と阪部は、ドラマのスタッフ達のところへ行った。



「ハァハァ・・・・・・」

「ん?どうしたんだ?」とドラマスタッフが言う。



「あの、多分、見えないと思いますけど、ここに雨澤が

いるんです!!!」

「は!?何、馬鹿な事を言ってんだよ!!!」

「俺も、最初は信じられませんでした!!!」

「おいおい・・・そりゃ、一体、どういう事だよ?」

「実は、雨澤は、死んでしまったらしいんですよ!!!」

「え!?いや、雨澤君は、昨日も、元気だったじゃないか!!!それが何で急に!?」

「いや、コイツの話によると、昨日、帰って、朝起きたら、

いつの間にか死んでいて、幽霊になってしまっていたそうなんですよ。ですが、俺にだけは、コイツの姿も見えたし、声も聞こえて」

「って事は、今、そこにいるっていう彼は、幽霊なのか?」

「そうです!!!」

「ん~・・・そう言われても、信じられないね~・・・・・・昨日まで元気だった雨澤君が突然死んで、幽霊としてそこに立っているなんて・・・・・・」



すると・・・・・・

8.肉眼で見えない雨澤の姿がカメラに!!!

「ア・・・アレ・・・・・・!?」とカメラを調整していたカメラマンが言った。

「ん?どうした?」

「ここに雨澤君と思わしき人の姿が映ってます!!!」

「何だって!?」



「え!?」と、驚いた雨澤が言った。



カメラマンは、録画したその数秒の映像を再生し、阪部や

他のスタッフ達に見せた。



「アレ!?本当だ!!!それに、声まで入ってる!!!」

「阪部君、本当に雨澤君は、死んだのか!?」

「はい」

「そうか。念のため、もう一度撮ってみよう。雨澤君、

そこにいるなら、カメラを意識しながら適当に動いたり喋ったりしてみてくれ」

「はい」と、カメラマンに声は届かないが、雨澤はそう答えた。



「本当だ!!!やっぱり撮れてる!!!姿も声も、生きてる人間と全く同じように入ってる!!!」

9.死んでも俳優が出来る?!

「でも、何でカメラには雨澤の姿も声も入るんでしょうね」と、阪部が言った。

「さぁ?それは分からないけど、今、こうして、我々の眼には見えない雨澤君がカメラには映っていて、声も入っているという事は、〝雨澤君が死んで幽霊になった〟というのは、

本当のようだね」

「はい」と阪部が答えた。

「とても残念だよ・・・・・・」



「あ!!!」

「どうしたんですか?」と阪部が聞いた。



「でも、こうやって、雨澤君の姿も声も、カメラに収められるなら、雨澤君は、俳優を続けられるんじゃないのか!?」

「え!?」

「まぁ、共演者達は、姿も見えない、声も聞こえない雨澤君と演技をするのは大変だけど、色々工夫すれば・・・・・・」

10.1つだけお願いがあります

「分かりました!!!やります!!!」と雨澤が答えた。

「え!?」と、阪部が驚いた。



「どうした?阪部君」とプロデューサーが聞く。

「コイツ、今、〝やります〟って言いました」と阪部が答える。

「そうなのか」

「はい」



「でも、お願いしたい事が1つだけあります」と、雨澤が言った。

「あの、コイツ、今、〝お願いしたい事が1つだけあります〟と言いました」と阪部がスタッフ達に言った。

「え?」

「僕が死んだ事を世間には公表しないでください」と雨澤が言う。

その事をまた阪部が雨澤の代わりにスタッフ達に伝える。



「コイツ、ファンの人達に自分が死んだ事を言わないで欲しいみたいです」

「そうなのか!?」

死んでも俳優~それこそが役者魂(プライド)~

死んでも俳優~それこそが役者魂(プライド)~

大人気俳優「雨澤恭時(あまざわきょうじ)」がある日、 誰もいないところで事故で死んで幽霊となったが、 カメラには雨澤の姿も声も入り、 「ファンを悲しませたくない」という本人の意向のもと、 「雨澤が死んだ」という事実を世間に公にせずに幽霊になった後、 カメラやマイク、霊感を持つ阪部を頼りに俳優業を続けていくが、 「〝雨澤が死んだ〟という事実を世間に隠しきれるか?」というストーリーです。 ちなみに、 「死んでも俳優」というのは、 「主人公がどんな事があっても絶対に意地でも俳優を続けたい」という意味も込めてあり、 サブタイトルに「魂」が入っているのは、主人公が幽霊だからです。

  • 小説
  • 短編
  • ファンタジー
  • 青春
  • ミステリー
  • 全年齢対象
更新日
登録日 2019-04-16

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted