夜を喰う

渡逢 遥

どどめ色の空がわたしを見下ろしている
こころもからだも支配するように上半身から染め上げる

天空を漂う輝きは自尊心を蝕む
冷酷な顔をした風が 感情を横殴りにして嬲る

噛みちぎった日々の断片が 足音立てて近付いてくる
高架下で挨拶を交わした お気を付けて

時間は色を奪い 色は顔を汚す
くらくら くらくら ふわふわ ふわり

記憶と記憶が出逢うとき だいじなものを見失う
想いと想いが出逢うとき だいじなことを見失う

正直な空などない 正直な空などない
ひたすらに ただひたすらに夜を喰え

むしゃむしゃ むしゃむしゃ むしゃむしゃごくり
喰え喰え 喰え喰え もっと喰え

腹が膨れたら またふたりで海にいこうか
もう一度あの夕景を眺めて ともに劫末を信じよう

そしたらまた ふたりで歌詞のない歌を歌おう

夜を喰う

夜を喰う

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
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