テロ対策は闇が深い！Sugar

この話は『テロ対策は闇が深い！Roger』の続きです！（１話は『テロ対策は闇が深い！Able』）

※この話は完結後、小説家になろうに載せます（タイトル変更あるかもしれません）

Sugar

それから六日後、『ゾンビ愛護団体総本部』の調査を始めてから一週間が経った。この頃になると秋好がリーダーのA班は調査を終えており、未だに調査の終わらないB班を手伝っていた。そしてC班はこの一週間、監視任務を監視課と共にやっていたものの、特に大きな動きはなく終わった

午前九時
東京本部、テロ対策1専用室……

「調査開始から一週間が経った。B班は分かったところまでで良いから資料を渡してくれ」

そう言ったのは秋好だった。秋好はテロ対策1のリーダーであると同時に、テロ対策課のリーダーでもあった。なのでテロ対策課が行った調査の報告は全て秋好がしていた

「秋好さんどうぞ！」

相澤はそう言うと資料を渡した

「いつもよりテンション高いな。何かあったのか？」

秋好は資料を受け取るとそう聞いた。すると相澤は「何もないですよ。これが正常何ですから！」

相澤はそう言うと自分の席に戻っていった。そして隣の席の上条に何かを言っていた

『玩具を見つけた子供ってやつか』

秋好は二人を見るとそう思った

相澤は上条が入局してからずっと一緒に仕事をしているため、他の人とは違う、深い関係になっていた。なので、上条に何かあると相澤は毎回いじって遊んでいた

『上条と深見が付き合ってるって聞いたことがあるし、それ関連だろう』

秋好はそう考えると、相澤から貰った資料を自分の席に置いた。すると今度は杉谷が秋好に資料を渡した

「すみません。あと一つ残ってまして……」

「あと一つか。それって一人でできる量？」

秋好はそう聞いた

杉谷達の調査する内容はなかなか情報がなく、調べるのが大変だった。なので杉谷の返答し次第で、秋好は手伝おうと思っていた。しかし杉谷はこう言った

「はい。昼までには調べ終わると思うので、一人でできます」

「そうか。じゃあ杉谷はそれを調べてくれ」

秋好はそう言うと、今度は皆を見てこう言った

「それじゃあ杉谷以外は片付けをするぞ！」

秋好がそう言うと部下達は今回の調査で使った資料を片付け始めた

今回の調査で使った資料は、ほとんどが資料庫のものだった。しかもその中の一部は三佐規制のかかっているものなので、テロ対策1の人間だと、秋好、相澤、杉谷しか借りることができなかった

そしてこの三佐規制がかかっている資料は、返すときと同じだった。なのでこの三佐規制がかけられている資料はその三人にしか返せなかった

「相澤さん。これしまってきてもらえます？」

上条はそう言うと相澤に冊子を渡した

「あー、自分でやってきな」

相澤はそう言うと、冊子を受け取らずに何処かに行こうとした。なので上条は「三佐規制って知ってます？」と言った。すると相澤はこう言った

「知らないなぁ～」

『相変わらずめんどくさい人だな』

相澤にそう言われると上条はそう思った。なので仕方なく強引に冊子を渡そうとした。しかし上条が渡すよりも早く、相澤が上条に何かを投げ渡した。上条はそれをキャッチし、何を投げたのか見た

「そういうの良くないと思いますよ」

上条は相澤の対策手帳を見るとそう言った。しかし相澤は「ん？ん？」と煽ってきていた

『この人の頭は五歳児なのか？』

上条がそう思ったときだった。突然杉谷が話しかけてきた

「良ければそれ、私が片付けようか？」

「え、でも……」

杉谷そう言われると上条は少し戸惑った。上条は杉谷と同じ班で仕事をしたことがなく、いまいちどういう人なのか掴めていなかった。それに、杉谷はまだ調査があるということを知っていたため頼むのもどうかと思っていた

「大丈夫。調査資料を探しに行くついでだから」

「そうですか。ならお願いします」

上条はそう言うと冊子を渡した。すると相澤は杉谷に「何か悪いねぇ」と言った

『いや、あんたの原因だろ』

上条はそう思ったが、この場に杉谷がいたため声に出しては言わなかった

「いえいえ、いつかこの借りを返してもらうから良いよ」

杉谷がそう言うと相澤は「だってよ。上条」と言い、上条の肩に手を置いた。するとそれを見た杉谷がこう言った

「あら、借りに関しては相澤の話よ。何を勘違いしてるのかしら」

杉谷はそう言うと微笑んだ。すると相澤は「そゆことで、後は頼んだ」と言い、何処かに行ってしまった

「逃げたし……」

そんな相澤を見ると上条はボソッとそう言った。すると杉谷がこう言った

「まぁ、何がともあれ貴方に何かさせることはしないから大丈夫。それじゃあ私は調査があるからこの辺で」

杉谷はそう言うと、冊子を持って部屋から出ていった

『大丈夫って言われてもなぁ……』

上条は心の中でそう言うと自分の席に戻り、片付けをし始めた

上条は過去の調査でも、本来相澤がやるべき仕事をやらされていた。なので今回もそうなるのではないかと思い、杉谷の「大丈夫」という言葉が信用できなかった……

谷津泰三（やづたいぞう）

ゾンビ愛護団体の人