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帰りのバスを待つまでの時間

バス停にはぼくらふたりだけだね

ちょっと早く学校を出すぎたな

ばいばいって またねが 溢れる今日を

フラットで歌う誰かの歌声も

ぼくは少し特別に感じていたよ


三月に入った途端

急にあったかくなるもんだから

ちょっと目が痒くって やってられないな

今日と同じ明日はないんだって

わかってるけど

明日になっても きみに会いたいんだよ


言いそびれた言葉たちも

言わなくてよかった言葉たちも

今となってはいい思い出だな

いいや そんなことはないさ

ただの後悔ばかり


この少しの時間で

今までの後悔を すべて水に流せるように

きみに告げるんだ

オレンジに染まる夕空が ぼくの背中を押してくれるよ


この夢が終わってしまう前に

きみがぼくの隣からいなくなる前に

ずっと好きだったんだ

たった一言だけ


ああ 言えたらなぁ


つまらない冗談や

おもしろくもない話

そんなことならいくらでも言えるのに


浮ついたこの季節と今日という特別な時

これ以上に最高な瞬間はもうないだろう


ゴミ箱に捨てたきみとの

こうなってほしいというメモ

誰かに見られてないか

今さら 不安になってさ

ほんと こういうとこだな

どうでもいいことは大事なときに

なぜだか 思い出してしまう


もう まとめられないや


好きだ、


って とっさに口に出た

ああ タイミング間違えちゃったな

だけど きみは頰を赤らめて

深く頷くもんだから

部活の試合で勝った時なんかより

よっぽど嬉しくてさ


ぼくは今日眠れるのかな

きみがいる明日は心底楽しそうだと思った


さようならが溢れるこの日

ぼくらは 好きだよ って言い合ったんだね

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  • 自由詩
  • 掌編
  • ファンタジー
  • 青春
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2019-03-02

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