9年目の再会

昔はしょっちゅう遊んでいたけど、ここ何年も会っていなかったNという友達がいる。

Nの友達のY君から連絡があったのを機に、先日、久しぶりにNと会うことになった。実に9年ぶりの再会。

正直、再会する前は緊張したし、今更会ったところで会話が成り立つのだろうかと不安になった。9年という月日は私にとって大きな壁だった。

結果それは杞憂に終わり、楽しい時間を過ごせたから驚きだ。

内容としては、お昼ご飯を食べカラオケに行き、帰宅がてらのドライブ。至って普通の遊びだ。カラオケではたまにしか歌わず、ほとんど喋っていた。店の抹茶ラテがめちゃくちゃ美味しかった。

時間は瞬く間に過ぎていく。終始話は尽きなかった。今ではお互い結婚しているので、互いのパートナーの話も少しした。

Nとは同じ大学に通い、他の友達も含めてよく一緒に行動していた仲間の一人。昔は毎日会うのが当たり前だったのに、いつしか遊ぶペースは週一になり、月一になり、いつの間にか9年もの間隔を産んでいた。

お互い携帯の番号は変えていなかったし連絡先は知っていたけど、連絡することすらしなくなっていた。たまにNの事を思い出すことはあっても、もう二度と会うことはないだろうと思っていた。

それが、こんな形で会え、昔のように楽しめるなんて。幸せだと思った。近頃体感できていなかった、無邪気な会話。損得のない友情。

お互いに変わったこともたくさんある。それぞれの家庭で憂いもある。働かなければならない辛さも抱えている。学生の時より背負うものが増えている。大人になるのはつらい。否応なしに世間の常識を押し付けられる。子供のままでいられたらどれだけいいか……。

それでも、同級生というのはやっぱり特別で、昔と全然変わっていないように感じる。見た目も、心も。


そのうちNを含めた当時の仲間達で集まろうかという話が出ている。実現は難しいかもしれない。皆それぞれの生活があるし、休日もバラバラだ。全員の予定を合わせることが難しい。

学生の頃に戻りたいと思う。それと同じくらい、再び繋がった友達関係が途切れることなく続いていくといいなと思う。

私の事を覚えていてくれてありがとう、N。
あなたに会えて元気が出た。
私もあなたの生活を少しでも潤す存在になれるだろうか。

これからもよろしくね!

9年目の再会

9年目の再会

  • 自由詩
  • 掌編
  • 青春
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2019-02-09

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