教室の隅で冴えない君、
大きな背中を自身なげに丸めた君、
新しい班で輪に入れず微笑んでるだけの君、
いつもただ一人で黙々と勉強している君、

そんな君が大好きだったんだ!!

それはつまり美しい少年だった。
君の首から上を花瓶にしたかった。
とりどりに塗って、石楠花や金木犀を散りばめてみたい!
黄色い花を挿していたい!
だからつまり君は私の花を容れてくれればそれでよかったんだ。
赤い薔薇をプレゼントしたかった。これは勿論サプライズで。手と血流と花と手と血脈。命ごとあなたに捧げていたい。

…でもさあ、なんでかな。
愛しいその背中を追いかけているのがつらいんだ。
あなたには私が見えるか?
充たされない要求ばかりが募ってしまうんだ。
逆恨みの怨嗟がふくれてしまうんだ。

だからさあ、…もうやめにしよっかな。
君の心に私を遺して、…こっそり縛りつけてやろう。
どうせ報われない君を遠くで見ていたい!

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2019-02-02

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