春は出会いと別れの季節だとか

こんなことになるくらいなら

あなたのことなんてはじめから

知らなきゃよかった

そうだったなら わたしがあなたを好きになることはないし

この悲しくやりきれない気持ちになることもないのに


春だからと言って

出会いと別れの季節にする必要はないのよ

わたしの憧れの人は そう言ってた

だけど 出会いも別れもない春なんて

サンタの来ない冬のよう、海のない夏のよう

味気ないじゃないか なんて

一人前に心の中で否定してみた


あなたはまるで風のように過ぎ去って

わたしの全てを奪って

残すものだけ残していったわ

ずるい人、

そんなドラマみたいな言葉を吐いたって

胸の痛みは なにも変わらないのに


あなたに出会う前のわたしの人生は

全て序章だった

あなたがいないと完結できない

あなたがいなければ



ひどいことしてくれたよね



あなたに出会わなきゃよかった


だけど あなたを知らずに


わたしの人生 約100年を生きるよりは


ずっとずっと よかった



わたしと出会ってくれてありがとうって言いたいけれど


そんな綺麗な言葉 あなたには似合わないよね



さようなら、

春は出会いと別れの季節だとか

春は出会いと別れの季節だとか

  • 自由詩
  • 掌編
  • ファンタジー
  • 青春
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2019-01-27

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