波紋

波紋

青い火玉がぐるりぐるりとまわりを飛んでいる
しばらく歩くと 真下には墨の海

傍から見れば純白のドレスを海に泳がせた
飛べと呟き
何度も染みてきて 空中浮遊の中で眠っている
煙のようなシルク
中途半端な染みは とても不格好に見えた

沢山の風船の中を 落ちたり飛んだりしている
誰もはねないし聞こえない
こんなに目の前で飛んでいるのに 地に足がついているように見えるらしい

私の下は針の山
ずっと浮かんでいたい
もっと染みろ

堪らず飛び込んだ墨は 銀色に光っていた

波紋

波紋

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2019-01-15

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