お呼びでない!

碧弥笠 和鶴 作

  1. プロローグ
  2. 一週目 朝休み
  3. 一週目 放課後
  4. 一週目 休日
  5. 二週目 放課後
  6. 三週目 放課後
  7. 四週目 放課後
  8. 5週目 放課後
  9. 六週目 およびでない!1 ウヴァルver. ★
  10. 六週目 およびでない!1 禎ver ★
  11. 六週目 冬休み およびでない!2ウヴァルver
  12. 六週目 冬休み およびでない!2 禎ver
  13. 六週目 冬休み およびでない!3 ウヴァルver

プロローグ

たったた~たったた~たったったったた~♪
(朝か。う~さぶい。リモコンどこやったけ?眼鏡どこだ?ごはん冷蔵庫にあったっけ?今日は何持っていくんだったっけ?朝テストの勉強しなきゃ…宿題するの忘れてた)
そんなことを考えながらのそのそと布団からおきあがる。
まず寒いから制服をきて時間割を確認しようとし、眼鏡をかけていないことに気づき眼鏡をかけ、足元が寒いので靴下をはく。冷蔵庫のご飯を温めて納豆と一緒にかきこむ。食べ終わると食器を水につけて洗面台に行き歯を磨き、温水に切り替え顔をあらう。その後出発時間ぎりぎりまで宿題や朝テストの勉強をし、時間になると慌てて家を出る。

これが寝起きに思考がまとまらないいつも通りの朝だ。そして日常が始まるのである。

一週目 朝休み

(夜あんなに遊ばなきゃよかった・・・)
必死に数学の答えを写しながら何度目かの後悔が襲ってきた。
(ここまでは終わった…後は昼休みにやればいいや。テスト勉強しなきゃ…)
朝休みはあと少し…

一週目 放課後

(やっと終わった… 帰ったら宿題しなきゃ)
そう思いながら廊下を歩いているとすれ違い様に
「悪魔め…」
「お前ら悪魔なんて死ねばいい」
なんて言われる。そんなことは慣れっこなので気にせず、寮に帰る。
そしてすぐに宿題に取り掛かる。ひと段落したところで、ご飯を炊き、また宿題に取り掛かる。ご飯が炊けると冷蔵庫から人参を出し、角切りにし、煮干しと一緒に茶碗に乗せて食べる。栄養バランスは完璧。味は最悪だけど…。朝の分と夜の分の食器を洗って干し、風呂に入って頭と体を洗い風呂から上がったら30分間浴室乾燥機をかける。その後に羽と髪の毛を乾かす。そして本来なら自由時間だけど今日は疲れたので目覚ましを確認し早く寝る。

なんで悪魔に生まれただけで酷い扱いを受けるんだろう?そんなことを考えながら意識を手放した

一週目 休日

(頭痛い。今週はテンション高すぎたのかな…)
あの頭痛が今回もやってきた。
ヘルメットで締め付けられるような痛みでおまけに肩や背中の凝りや吐き気までやってくる。
一旦こうなると寝ても起きてても辛いし何かしようにもやる気が起きない。

原因はテンション上がって極度に疲れたこと。多分。
毎回頭痛がする度にこれからはテンションあげないように気をつけようって思っているのに毎回テンション上がってしまう。
テンションが上がってるときは頭痛の苦しみを忘れてしまうんだよなあ…

これからはテンション上げないように気をつけよう。

二週目 放課後

『先人たちが平和のために犠牲になってくれたおかげで私達の国平和なのです。だから皆さんこの国の平和を先人たちと同じように受け継いでいかなければいけません』
今日の授業でとある教師がそんなことを言った。
(死を美化するな。)
そんな風に思った。望んで平和のために亡くなった人なんている訳がない。みんな死の直前には
「なんで自分はこんな思いをしなければならないのか」
「いやだ。死にたくない」
っていう風に思っていただろう。みんな生きてたかった筈だ。
そんなこと自分に置き換えて考えたらわかるだろう。なぜ、大多数がそのことに気づかないのだろう?そして政治は自分達と密接に繋がっていると分からないんだろう。

生き物は大多数が思っているよりも簡単に死んでしまう。人間も天使も悪魔もそれは同じ。望んだ生き方をしたいのなら、そのことをしっかりと考えるべきだ。

三週目 放課後

「共謀罪ができたお陰で警察が積極的に捜査することができるようになりました。このことについてどうおもわれますか?ゲストの茘枝さん」
「頼もしいですね。これで憎っくき悪魔供が消えてくれると嬉しいんですが…」
「なるほど。以上ニュースでした」
(なんでだよ…どうして悪魔ってだけで憎まれるんだろう)
怒りとともに悲しみ、具体的には自分は何も悪くないはずなのにここに居づらい、消えてしまいたい、悪魔を差別する様な奴が憎い、そんな気持ち。

僕達の、具体的には天使と悪魔の天界は大昔に人間たちによって侵略された。しかもその理由が神話で天使と悪魔が人間に害を加えたってだけで。神話なんて人間が創った物語なのに… しかもそのあと人間は天使と悪魔に優劣をつけ、僕ら悪魔は種族だけで色々な制約が科された。

これから共謀罪のせいで電話やメールが盗聴されてしまうのだろうか…そしてそこでの発言を根拠にしてもっと差別が酷くなるんだろうか…

ー死にたい…

四週目 放課後

「人間界からの協力で関税が撤廃されました!天界の最大の輸出額の飛行船の輸出が増える見込みです!」
「いやー素晴らしい!これで天界のの景気も良くなるはずですね」
_ブチッ_
(人間界からの圧力で関税を無くさざるを得なかっただけだろ…。)
そう思いながらテレビの電源を切った。関税も自分で決められない、しかもそれについてメディアが何も言わない。なんでだよ…
(遺伝子組換えがふえるだろうなあ…)
人間界の安い遺伝子組み換えの作物が関税なしで天界に入ってきたら天界の農業は衰退するだろうし、金がないからそっちを買わざるを得なくなるんだよなあ。何かあって海外から作物を輸入できなくなった時に農業が衰退していたら一巻の終わり。それに遺伝子組み替えは体に悪そうだし…

5週目 放課後

(本当にバカなんじゃないの?)
今日、道徳であの戦争での死を美化した教師が(2週目 放課後参照)
「愛国心は素晴らしいんです。無償で奉仕する私たちは素晴らしいんです。みなさんもそんな素晴らしい人になってください。」
なんて言いやがった。権力に操られているとも知らずに天狗になってるだけじゃないか。自分が繋がれている鎖を自慢するなんて愚かなことだ。

なんでみんな足を引っ張りあって一緒に苦労しようとしてるんだろう。本当に異常だ。どうせならみんな一緒に楽になろうよ。
…先が思いやられるなあ

六週目 およびでない!1 ウヴァルver. ★

(ーー恋人ほしいなあ…)
毎年この時期になるとそんな気持ちになってくる。クリスマスの雰囲気のせいかもしれない。でも多分それだけじゃない。入学してからずっと一人暮らしで、学校にも友達といえる人がいないからだろう。つまり寂しいってこと。
(でも現実の恋人はかなり面倒くさいからなあ…)
僕の家庭は親同士の喧嘩が壮絶で、しかも片親には虐待されていた、そんな家庭だった。
(あんな風にはなりたくないけど、結婚したらどうせああいう風になるんだろうなあ…)
だから2次元の完璧な美少年や美少女でいいや、と思っている。
「どうせなら画面のなかからでてきてくれないかなあ…」
頭に浮かんだことが不意に口からもれた。

コタツに入りながらあれこれ考えていて、ふと気がつくと外が真っ暗になっていた。
(寝てたのか…今何時だろう?)
家に時計がないので時間を確認しようとテレビのスイッチをいれても何も映らない。
(故障かよ…テレビ高いのに…)
寝起きのいらつきも相まって、ちっと舌打ちしてコタツに戻ろうとすると

__ガンッ

という音がした。人が壁にぶつかったような大きな音。驚いてテレビの方を見るとそこには黒い長髪で顔がかくれ、白い手術着みたいなだぼだぼの服をきた人間らしきものがテレビから出てきた。
(たしかに画面から出てきて欲しいとは思っていたけれど__)
「貞子は…『お呼びでない!』」

六週目 およびでない!1 禎ver ★

「どうせなら画面のなかからでてきてくれないかなあ…」
画面ごしにいろんな家を覗いていると、ふと一つの家が目に留まった。
(やっと…出てもいい…かも…)
この時をどれだけ待っていただろう… 何年、いや何十年、やっとこの寒い空間から出ていける。感動と安堵に胸を詰まらせながら、枠を通り抜けようとした。でも、今までの緊張、疲労、苦痛ので身体が思うように動かない。意識も朦朧としてきた。
(吐きそう…何も見えない…やっと出れるかもしれないのに…)
意識が朦朧としながらも最後の力を振り絞って手探りで枠を見つけ、乗り越えようとした。

__意識を手放してしまった。

六週目 冬休み およびでない!2ウヴァルver

この話には応急手当についての記述がありますが必ずしも正しいとは限りません。応急手当については各自でお調べください。なおこの話を参考にして起こった不利益については責任を負えませんのでご了承ください。

「おーい、大丈夫ですか?」
テレビの画面から出てきた「それ」に声をかけた。そして恐る恐る近づいた。
(これは…人っぽいな。とりあえず応急手当てするか。ゴム手袋あっちだ…)
まず全身を画面から引きずり出す。手術着みたいな服は濡れていて恐ろしいほど冷たかった。
(まず呼吸と心臓の鼓動を確かめる。心臓はしっかり動いていて呼吸もある…と。心臓マッサージは必要ないな。
次は気道確保っと…一人だし他にも手当しないと駄目だから回復体位でいくか。後は…)
ここまで応急手当てをすると一瞬動作が止まった。他に何をすべきか考えていた。
(かなり身体が冷たいし、保温するか。えっと毛布は…これ使おう。)
コタツから毛布を引っ張りだしそれを人っぽい、というかほぼ人の「それ」にかぶせた。その下から衣服を脱がして、コタツのそばに引き寄せる。この時に服を声掛けも忘れずに。
「服、脱がしますよ」
返事はなかった。でも迷わなかった。
(ハサミはどこやったっけ)
毛布の下から服をハサミで一直線に切り、服だった布を取り外した。
(同意なしで服を脱がせたけど緊急事態だし、見てないしいいよな。それに声かけたし。)
「救急車よびますから。もうちょっと頑張りましょう。」
そう声をかけると
「__呼ばないで」

六週目 冬休み およびでない!2 禎ver

(なんで目の前が真っ暗なんだろ)
するとうっすらと声が聞こえた。
「__しますよ」
体があったかいもので包まれているのに気づいた。
「__呼びますね」
という声が聞こえて慌てて大声を出した。いや出そうとした。でも泣きそうな、弱々しい声しか出なかった。
(もうどこにも閉じ込められたくない。せっかく出れたのにここで終わりたくない)
いままでのことを考えると胸がつぶされそうな気持ちになった。

六週目 冬休み およびでない!3 ウヴァルver

(どうしよう。呼ぶべきか、呼ばざるべきか)
人っぽい、というかほぼ人の「それ」が泣きそうな弱々しい声で呟いた。
(寝言の可能性もある…でもこの状況をどうやって他の人に伝えるか…)
脳をフル回転させて悩んだ末、意識が戻ったようだしまあいいかな、という結論に達した。
(どうせ救急車呼んだところで画面から出てきたなんて信じてもらえないだろうし。)
「分かりました。とりあえず力抜いてて下さい。」
(とりあえず出来るだけ目を離さないようにしよう。__あっ、そうだ。)
「大丈夫です、力抜いていてください。」
スマホに録音して大きめの音でリピート再生する。
(今のうちに水を組んでこよ。しかしマメに繰り返しイメトレしててよかったなあ)

お呼びでない!

お呼びでない!

★が付いている話を見れば大体のストーリーがわかります。初見さんは★から読むことをおすすめします。(ただ今準備中)

  • 小説
  • 短編
  • ファンタジー
  • 全年齢対象
更新日
登録日 2019-01-11

CC BY-SA
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CC BY-SA