世界はみんな病んでいる

沙山 雪 作

大抵の人の頭の螺子はひとつかふたつかみっつは

緩んだりどこかに失くしたりしていてもしかしたら

違う形のものが無理矢理ねじ込まれ気づかずにいて


渋谷のスクランブル交差点で幼い子供は将来の為に

こっそり螺子を拾って持ち帰り宝物にしても

いつかきっとそれはがらくたに成り下がり

どこかに失くしたことさえ覚えていなくて


精密機器がマトモに作動するのが当たり前ならば

当たり前のマトモな頭なんて笑ってやればいい



十一月の真夏日とか四月の遅雪とかでも明日には

ちゃんと平均気温になるわけでマトモじゃなくても

季節はいつだって真面目に巡っているのだから



みんなマトモじゃなくても真面目に生きている

世界はみんな病んでいる

世界はみんな病んでいる

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日 2019-01-02

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