何処かで火事は

沙山 雪 作

火事の夢って悪いことではないらしいけど

水をかけてもかけても消えない火って

とてもとても恐ろしいもので

真夜中の平和な住宅街に遠く貨物列車の

走る音に耳を澄ませどこまでゆくの?

なんて静かな夜をつんざく消防署のサイレン

なんて音は聞きたくはなかった

私の中の火事はどこかで起きている

午前2時にひとり目が覚める恐怖は

幼少期に初めて一人部屋に寝るのに似てる

世界中で私以外みな死んでいる

生きている人はどこかしらにいるはずで

コンビニの深夜勤務の学生さんなんかを

思い浮かべたりしてちょっと安心する

ところで火事は終わっただろうか

何処かで火事は

何処かで火事は

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日 2019-01-02

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