僕らはゾンビ対策官 青池穂色 α

この話は「小説家になろう」にも載せています(2018,12,30より)

ゾンビ……



それは今から九十年前に突如と現れた人類の天敵である。そのゾンビが発生したのと同時に当時の人口の約六割が行方不明となった



それから九十年後……



私はゆっくりと目を開けた



「え?」



私は知らない場所にいた。なので周りを見ると床、壁はコンクリート。そして私の目の前には鉄格子があった。こんな狭い空間でなおかつ鉄格子のある場所。私は一つしか思い浮かばなかった。それは『刑務所』だ。しかし昔なら分かるが、今どきコンクリート丸出しの刑務所なんてあるだろうか。そして第一私は捕まるようなことをしていなかった



「起きましたか。体調はどうですか?」



突然牢屋の外から女性の声が聞こえた。なので私は鉄格子のある方向を見るとそこには銃を持っている女性がいた



「貴方は誰?私は何故ここにいる?」



私はそう言いながら後退りした。そして私の背中が壁につくとその女性はこう言った



「私は監視官の佐伯。あの時のことを覚えていませんか?」



佐伯と名乗る女性は私にそう言った。しかし『あの時』というのが何を指しているのか分からなかった。なので私は黙っていると佐伯は私に別の質問をしてきた



「貴方の名前と職業を教えて」



佐伯はそう言ってきた。この質問は先程の質問とは違い、当然のことながら知っていた。なので私はこう言った



「青池穂色。警視庁に勤める警察官であります」



「なるほど。そこは覚えているのね」



佐伯はそう言うと手に持っている紙に何かを書き始めた。そして書き終わるの再び私に質問をしてきた



「貴方何でここにいるか分かる?」



佐伯はそう聞いてきた。しかし何でここにいるか私は知らなかった



「知らない。貴方は知ってるの?」



私はそう聞いた。すると佐伯は先程書いていた紙とは違う紙を取り出した。そしてその紙に書いてあることを読み上げ始めた



「マル食品羽町工場作戦は成功。だが警視庁ゾンビ対策課の警察官、青池穂色巡査部長は左腕を噛まれた。よって感染対策法に基づき、感染していないと確認されるまで隔離する……と書いてあるわ」



佐伯がそう言うと私は何があったのか全て思い出した。私は警視庁ゾンビ対策課の警察官。マル食品羽町工場の調査をしていたところ、不審者に襲われる。そこで伊中という人と出会った。私はその人と出会い、工場の極秘にされている地下区画へと入った。そこで私はゾンビ対策官と合流し、戦っていたところ左腕を噛まれた。そのあとゾンビを殺した所までは覚えていた。しかしそのあと突然目の前が真っ暗になり、今に至る……



私が覚えているのはここまでだった。けれど本当にゾンビに噛まれたのか記憶が曖昧だったので、佐伯の言う左腕を見た。そこにはくっきりと歯形がついていた



「私これからどうなるの?」



私は佐伯にそう聞いた。すると佐伯は手に持っている紙を見ながらこう言った



「ゾンビに噛まれると個人差はあるものの三時間から六時間程でゾンビになる。なので貴方の場合はあと二時間ここにいてもらいます」



私はそれを聞くとゾッとした。佐伯が言うにはゾンビに噛まれてから既に四時間経過しているようだ。私はゾンビ対策課で働いていたものの、ゾンビに噛まれた人で社会復帰した人は誰一人と知らなかった。私の知る全員はゾンビに噛まれ、ゾンビ化し殺されていった。今回は私が殺される番なのでは?心の中でそう思った。すると佐伯は私にこう言った



「過去九十年間にゾンビに噛まれてもゾンビにならなかった人が四人いる。一人は八十年前。二人目は五十年前。三年目は四十五年前。そして四人目は今年……」



ゾンビが現れてからの九十年間。ゾンビに噛まれても平気だった人は四人しかいない。これは私を絶望のどん底に追いやるために言ったのかと思った。すると佐伯は続けてこう言った



「ゾンビに噛まれても大丈夫な人…… つまりはゾンビ菌を無効にする体質の人間は全人類の0.1%。この数字は決して絶望的な数字じゃない」



「で、何が言いたいの?」



私は素っ気なく言った。すると佐伯は私にこう言った



「分からないの?貴方は噛まれてから既に四時間経っている。だから0.1%の人間かも知れないってことよ」



佐伯はそう言った。しかし佐伯の持っている銃を見ると何と言っていいのか分からなかった。もし私がゾンビになったら佐伯は躊躇なく私を殺すだろう。そう考えると色々と複雑だった



「噛まれてから六時間経つまで私はここにいる。もし大丈夫だったら……いや止めておく。大丈夫だったときの話は後でのお楽しみにしておくわ」



佐伯はそう言うと銃を床に置き座った。そう言えば佐伯は未だにここが何処なのか教えてくれていない。しかし私には知る必要がないのかも知れない。これからゾンビになり、彼女に殺されるのだから……

僕らはゾンビ対策官 青池穂色 α

青池穂色(あおいけほいろ)

警視庁ゾンビ対策課一班、巡査部長

武器……短剣
拳銃

僕らはゾンビ対策官 青池穂色 α

目が覚めると私は牢獄にいた。その牢獄の外には銃を持った女性がいた。その女性はあの時の事を私に思い出させてくれた……

  • 小説
  • 掌編
  • アクション
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2018-12-16

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