Fireworks

晩夏の少し涼んだ黒い空の夜
はるか空の彼方にうっすらと白雲
マグネシュームのような街灯
喧々囂々の放送の鳴り響く中
人の波に飲まれないように

時計の針を気にしながら
僕らは星のない空を見上げる
合図と共に空に上がる閃光

咲けよ咲き誇れ空の華
舞えよ舞い踊れ空の華
ずっと遠くの空の上までの空気感
鼓膜を打つように花火がはじける
真っ黒な静寂の間隙を挟みながら
極彩の花火が夜空を照らす
赤や黄色や緑や青や白や橙や

君と共に過ごす夏の一日
失ったありふれた夏の空気
例え儚い幻想であろうとも
いつか友と見た花火のように
揺るぎない存在が欲しいのだ
澄んだ瞳が欲しいのだ

何もかも叶えておくれよ
私は当に求めているのだ
君がいるから生きる実感を得る
この孤独をばなににたとえん
この場所以外なんて考えられない
あどけないあの夏の子供のように──

Fireworks

(2011.5.12)

Fireworks

  • 自由詩
  • 掌編
  • 青春
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2018-12-11

Copyrighted
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