勇者的RPG

始まりの町へようこそ

悠side

ここは、サンライトシティ。○○国にある小さな小さな町だ。俺はこの町で一人暮らしをしている。この間魔王と名乗る厨二患者が訪ねてきたが、それを除くといたって普通の町だ。
今日も天気がいいので畑仕事をしていた。しかし、いきなり日光が陰ったと思えば町の奥の方にあるこの町、いやこの国を統べる藍蘭様の家からとても大きな影が飛んでいくのが見えた。
「あれは?」
まあ、俺みたいな唯の村人には関係ないだろう、そう考えてそのまま作業を続けた。
それが間違いだった事にも気付かずに…

押しかけ少女

陰っていた空も元に戻り、いつもの作業を終わった頃には夕方になっていた。
「ふ〜疲れたな」
道具を片付けて家に戻ろうとしていた俺に一人の少女が話しかけてきた。
「そこの貴方、突然ですが勇者になってください」
美少女と呼ぶにふさわしいほど整った見た目をしている少女、その少女が放った言葉に言葉を失った。
「聞こえてますか?」
「……何で俺が⁉︎そもそもお前は誰だよ!」
「ゆっくりお話ししたいのですが……ああちょうどよかったそこの家は貴方の家ですね?お邪魔します」
少女は状況が理解出来ず質問をした俺を軽く流し勝手に家に入って行った。
「何で勝手に…」
しょうがないと思い俺も後に続いた。

急展開で勇者誕生

藍蘭ご夫婦と一人娘の繚華様その一家がこの領地を収めている。
一人娘ということで藍蘭ご夫婦は綾華様をとても可愛がっていた。
少女が言うには、その繚華様が厨二病の変な男に連れ去られたらしい。
繚華様を助け出す為の勇者を探していたところ道具を片付けている俺を見かけた、ということらしい。
「ちなみに私は繚華様の執事をさせていただいている朱翁 鼎です」
「たくさん質問があるが…
まずそんな適当に勇者とやらを決めていいのか⁈」
しかも俺は一般人だし…
「藍蘭様は運に任せて頑張れ、とおっしゃっていたので大丈夫です」
………この国大丈夫かな
「勇者って具体的に何をするんだ?」
「剣を持っていればいいのでは?」
ゆるっ⁉︎
「他に仲間は?」
「いません」
………だと思ったよ。
「しょうがねえな、勇者でもなんでもやってやるよ」
「そうおっしゃってくださると思ってました」
ハ・メ・ラ・レ・タ\(^p^)/
「はぁ、でも仲間がいないとダメだろ」
「まずは仲間を探しましょうか」
すでに、勇者になったことを後悔してる俺は荷物をまとめて朱翁と出発した。

ここから俺たちの旅は始まるーーーー

勇者的RPG

勇者的RPG

斎藤 悠 (男)主人公 どこにでもいるような平凡男子くん。 自分は不幸を引き寄せるのではないかと真剣に考えている。 何故か勇者になってしまう。 超がつくほどのお人好し。

  • 小説
  • 掌編
  • 冒険
  • SF
  • コメディ
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2018-12-10

Copyrighted
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  1. 始まりの町へようこそ
  2. 押しかけ少女
  3. 急展開で勇者誕生