*星空文庫

忘れもの

音澤 煙管 作

忘れもの

夢と幻の中で…



目を閉じると思い浮かぶ、
あの時の面影を…

ぼくのために居てくれた君、
君のためにぼくが居た。

話していた事しか覚えていない、
もう声は忘れたけれど。

記憶にあるのか無いのか、
それとも幻だったのかな?

時間の経過だけが記憶する、
四季の中で話したことと。

朝焼けも夕焼けも感じてた、
その時はぼく一人だけ。

通り道の橋の上、
温度計の赤数字、
坂道渋滞また橋の上、
道にも慣れてきて、
回らず急いで混雑避けた。

早く其処に行きたくて、
身体の事が心配で、
子供のような顔になるから、
早く見たくて、でも…
顔と性格はもう忘れた。

それだけの仲だったんだと、
今朝も君の夢を見た後の
朝焼けを見てそう思った。

完全に消えてはいない、
何度も何度も、
消し去りたいとそう思った。

たぶん幻だった、
長い長い夢のあと。

自分自身を忘れてた、
遠い記憶の忘れもの。

残されたものは、
すべて君に言われたこと。

死んでるように生きていた…

でももう気にしないで、
すべて君には話していない、
言えない事ではないけれど、
言ったら笑顔が消えるから。

たぶん言えない仲だったんだ、
そう思うと夜はよく寝られる。

上辺だけにそそのかされて、
自分の過ち後悔してる。

でも懺悔して祈らない、
神さまなんて居やしないから。

一番心残りな事は、
心からのありがとう、
それと、ごめんねだけは
言わずに今まで生きている。

だからまだこれからも、
ずっと夢の中、
幻の君に笑ってる。

不幸と幸せが無くなる日、
この世に重力が無くなるように。

いつでもふわふわ浮いている、
まだ今も夢の中だから。

ひとつだけわかった事は、
お互い童心忘れた大人だった事。

童心を忘れたもの同士、
大人の大事な忘れもの…

『忘れもの』

『忘れもの』 音澤 煙管 作

遠い遠い…大昔の忘れもの。

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日 2018-12-07
Copyrighted

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