おなじくらいの悲しさだったらいいのにね

おなじくらいの悲しさだったらいいのにね

短歌十首。

   



   



   

  



   



   



 


忘却を塗る

   詩も

  ひとも

この世のことを この世ですべて 終わらせて




この傷へ

ずっと ずっと 昔を

生き返らせてくれてきた 昔を





人生

笑ったあと おどらされ

人生

悔し涙で おどらせて




たゆたう時は

おとずれて ひきちぎれ

  たぶん 明日は

       他の明日で




「あたしの涙とリルがおなじくらいの悲しさだったらいいのにね」




何度も泣けたらいいのにね

今日の続きが

また

明日の風なら




あなたを ちぎられて

もう一度

信じる

僕に宿った 詩のあなたを




問いかける声

わたしだけの反響で

反響は 本当はおまえで




はかなさが あなたで

耐えゆくのが わたしで

わたしたち 息づく壁絵




いまは

詩が生まれない日のしあわせと

詩を潰し落とす日の苦しみと
   



   



   

  



   



   



 

おなじくらいの悲しさだったらいいのにね

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おなじくらいの悲しさだったらいいのにね

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2018-09-05

Copyrighted
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