神経衰弱

人生は神経衰弱のようなものだな。
トランプゲームの、あの神経衰弱。

初めてめくるカードにはドキドキするし
記憶が曖昧なカードはめくるのを躊躇うし
絶対の確信があるカードは勢いよくめくるもよし
ためてためてここぞというときにめくるもよし
渋りすぎて横取りされちゃうこともあるけど

あたしはいつだって
一度めくったカードを全部覚えていようと躍起になって
そして全部分からなくなる。
そんな人生を続けているんだなぁ。


それにしても神経衰弱。
ものすごいネーミング。
フィーリングカップル、みたいなポップな名前だったら
こんなにイライラしないのかもしれないのに。
神経衰弱。
人はやはり先入観で生きる性質なのだ。


あたしのいう名のカードのペアになるのは
あたし自身か、まだ見ぬあたしたちの片割れか。
それともすでに出会っているあなたなのか。
深く考えすぎて見過ごしてしまうのもあたしの悪い癖。
気軽にめくって、見つかれば儲けもの。
強がってそう思い込み、今日もまたカードをめくり続ける。

神経衰弱

神経衰弱

記念すべき本サイト初投稿作。エッセイと詩のあいだ、でしょうか。

  • 随筆・エッセイ
  • 掌編
  • 青春
  • 恋愛
  • 青年向け
更新日
登録日
2012-09-26

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