教会のマリア

教会のマリア

今やっと人生の再整理をしている。やっとついに登ってこれました頂点へ、人間の天上界に雲がたゆたい優雅に流れゆく人生の高みへと。天空をこんなにも高みに美しく登っていく。
私にとって聖典が読み上げられる、その静かな世界が新しく生まれ変わり美しくなっていく。そんな事で潤う、ねえこんなにも潤っている。凄いのです。世界は単純だったのです。
青空がこれほどまでに晴れ渡るこんな清らかな聖地が存在したなんて、ああ、海の教会に行こうとしていた。
海は遠く彼方まで晴れ渡り、どこまでも青く続いていくそのあどけない心の風景。それは青春であった。
青春が天空へとふわーっとさざ波として伝わり、純粋な心がこの遣伝子をしんみり調和させていく。
人生で様々な経験を経て、海辺の教会に流れて着いて来ました。全ての人生を澄み渡らせた教会。この青い教会に人生を全て解脱させる、心の全解答を追い求めてここへ来たのです。
厳かに人生廻廊の教会の中へと進めていく。海の潮の音がゆったりとゆるやかに甘く遠く、そういとおしく全てを優しく流していく。子宮の優しい存在に生まれる前の世界に行き着くのです。懐かしい、いとおしいこの教会へ、全てを許して戻っていく。
教会に青い精神が飛行していく紙飛行機が、どこまでも遠く彼方へと一直線に進んでいく。
初体験していく得たいの知れない未知なる感覚、これが愛の営みというものなのか。恋のキューピットは大空を翔る紙飛行機の優雅な美しさとなった。

私を助けてくれたあなたの清純な心。
教会の祭壇にマリアがいるのです。その御姿はすらっと天空に伸びていくこの上ない可憐さだった。今だからわかるような気がします、あなたの清純な気持ちが。あなたは美しかった。そして、同時に哀しみをもそっと浮かべていた。
教会のマリアがすっと手を今まで見たことのない不可思議なラインで、か細い両手をふわーっと伸ばす、その絶唱の光景に感無量でああ、うっうっ感動するのです。
あなたを、あなたを私は待ち憧れていた。
マリアは静謐な印象にひっそりと青く美的な魅惑をほんのりと、うっとり漂わせていた。
まさに神から優しく愛された女性なのです。生まれてから今まで見た事のないこの上なく可憐な人。あなたはこの世界の罪を完全に超越した美の体現者であった。
そして、マリアは私の未来を不可思議な聖なる光で予言している。私はマリアにずっと憧れていたのです。
何て天空の超次元に超越した、女性のオーラを纏わせて、ほんのりいとおしくなっていく。
未来は親愛なるマリアの手の平で美しく優雅に転がされた、万物の粒子は人類愛に溢れていた。
マリアが私の顔を優しくふわりと触れた。何という静謐な柔らしい手の感触なのでしょう。そして、マリアの手の中で私はさめざめと泣くのです。この優しく癒されていく人生に、これ程までに私は哀しく生きてきた。
マリアは私の顔を慈悲深く可憐な瞳でじっと見つめている、このマリアの瞳の中には神の真理が存在していた。ああ、神をじっと静寂に見つめている。マリアの瞳の中にうつる私の内には神がいたのです。
愛に満ち満ちて見つめたマリアが私を許してくれていた。こんな祝福に満ちた気持ちがあるでしょうか。
私とマリアは不思議な時空で、不思議な関係となり不思議になっていく。
この世界はマリアの人智を越えた不可思議な微笑に満ちていた。
その時マリアはふっと一滴の涙を浮かべたのです。
マリアの細くやわらしい手に触れた時、天国の花園で遊び戯れる少女の御姿を見たのです。
それは若かれしマリアの可憐な面影でした。
花園の明るい日射しの中で小鳥はさえずり、けなげに聖歌を歌う少女のあどけなさ。
この人間の未来に素晴しい人生を確かに約束する。そう人生はマリアの美しい超新星となり、心がこのように澄み渡っている。
私はマリアにそっと優しく自信を与えてもらい選ばれたのです。
これから私は救われた未来へと行けるのです。

教会のマリア

教会のマリア

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2018-08-25

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